新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)は、夏と冬と年に2回の流行が見られ、今年の夏も第11波※2が起きました。これから冬を迎えるにあたり、どの程度の流行になるのか、その規模を予測するのは難しいのですが、感染者が増えていく可能性は高いと思われます。
現在は、2021年の末ごろから広がったオミクロン株の一種で、「JN.1」から派生した「KP.3」という変異ウイルスが主流となっています※3。基本的な症状は、発熱、のどの痛み、咳、鼻水、頭痛、関節痛など、これまでと大きな変わりはなく、流行初期によく見られた嗅覚障害や味覚障害は、ほとんど起きていません※4。
国内の感染者数は、流行の波を経るごとに減少傾向にあるものの、5類に移行してからの入院患者数は、波ごとに増加しています※2。その背景には、それまで公費支援されていた検査や処方、内服薬などの医療費が自己負担となったために、病院にかかるのが遅れてしまったり、内服薬を飲まなかったりといったことが一因として考えられるのではないかと思います。