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新型コロナウイルス感染症をめぐる今/定期接種対象となる重症化リスクの高い方は対策の一つとしてワクチン接種の検討を 新型コロナウイルス感染症をめぐる今/定期接種対象となる重症化リスクの高い方は対策の一つとしてワクチン接種の検討を ※65歳以上の高齢者や60~64歳の一定の基礎疾患をお持ちの方

10月1日より、
65歳以上の高齢者や60~64歳の一定の基礎疾患をお持ちの方※1を対象に、
自治体の助成による新型コロナワクチンの定期接種がはじまっています。
現在、新型コロナウイルス感染症はどのような状況にあり、
高齢者にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
感染症専門医の忽那賢志先生に話を伺いました。

※1 心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

感染症専門医 忽那 賢志先生

(くつな・さとし)2004年山口大学医学部医学科卒業。専門は新興感染症、輸入感染症。2020年1月以降は新型コロナウイルス感染症の臨床研究を行い、回復後の抗体推移や後遺症についての解析、回復者血漿療法に関する臨床研究を国内で主導。啓発活動にも努める。

感染症専門医 忽那 賢志先生 感染症専門医 忽那 賢志先生

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5類以降、入院患者数は
増加傾向に

新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)は、夏と冬と年に2回の流行が見られ、今年の夏も第11波※2が起きました。これから冬を迎えるにあたり、どの程度の流行になるのか、その規模を予測するのは難しいのですが、感染者が増えていく可能性は高いと思われます。

現在は、2021年の末ごろから広がったオミクロン株の一種で、「JN.1」から派生した「KP.3」という変異ウイルスが主流となっています※3。基本的な症状は、発熱、のどの痛み、咳、鼻水、頭痛、関節痛など、これまでと大きな変わりはなく、流行初期によく見られた嗅覚障害や味覚障害は、ほとんど起きていません※4

国内の感染者数は、流行の波を経るごとに減少傾向にあるものの、5類に移行してからの入院患者数は、波ごとに増加しています※2。その背景には、それまで公費支援されていた検査や処方、内服薬などの医療費が自己負担となったために、病院にかかるのが遅れてしまったり、内服薬を飲まなかったりといったことが一因として考えられるのではないかと思います。

※2 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症COVID-19の発生状況について(令和6年6月14日). https://www.mhlw.go.jp/content/001263595.pdf(2024年10月11日閲覧)

※3 東京都保健医療局:都内の変異株発生状況について https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/corona_portal/henikabu/screening.html(最終アクセス:2024年10月10日)

※4 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第3.0版 5 嗅覚・味覚症状へのアプローチ(https://www.mhlw.go.jp/content/001159406.pdf)(2024年10月18日閲覧)

新型コロナウイルス感染症COVID-19の入院患者数の推移
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重症化リスクと基礎疾患の
悪化リスク

65歳以上の高齢者や基礎疾患のある方は重症化リスクが高く、引き続き注意が必要です※5。新型コロナの重症とは、肺炎を起こし、人工呼吸器の使用、または集中治療室での治療が必要となる状態を指します※6。また、高齢患者さんの場合は、感染を契機に持病が悪化し、入院の長期化に起因する身体機能や認知機能の低下もしばしば見受けられます。すると、命が助かっても、日常生活を送る上での基本的な活動能力が低下し、普段の生活に戻ることが難しくなることもあります。インフルエンザも気を付けたい感染症ですが、重症化した際の影響の大きさや容体の急変リスク、後遺症の問題などをかんがみると、新型コロナは、まだインフルエンザと同等レベルとはいえないと考えています※7。インフルエンザワクチンの接種をお考えの方は、新型コロナワクチンの同時接種が可能な場合もありますので、医師にご相談ください。

また、重症化リスクの高い基礎疾患としては、慢性腎臓病やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、糖尿病、免疫不全や免疫機能を低下させる治療が必要な疾患などが挙げられます※6。腎臓病や糖尿病などの生活習慣病は、コントロールがうまくできていない患者さんほど重症化しやすいといわれていますので、日ごろから体調管理に気を付けてください※6

※5 新型コロナウイルス感染症 COVID-19診療の手引き・第10.1版(2024年10月18日閲覧)

※6 新型コロナウイルス感染症 COVID-19診療の手引き・第10.1版、厚生労働省:2023年4月版 新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(https://www.mhlw.go.jp/content/000927280.pdf)(2024年10月10日閲覧)

※7 厚生労働省:第111回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年12月21日)
資料4. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001027743.pdf(2024年10月21日閲覧)、厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第3.0版(https://www.mhlw.go.jp/content/001159406.pdf)(2024年10月18日閲覧)

30代と比較した新型コロナウイルス感染症COVID-19の重症化リスク
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高齢患者さんが
気を付けたい後遺症

新型コロナでは、発症から3か月経った時点でも、その症状が2か月以上続き、ほかの疾患による症状として説明のつかないものを後遺症と定義づけています※8。流行初期と比較すると、後遺症にかかる患者さんは少なくなってきていますが、やはり高齢患者さんは後遺症も引き起こしやすいといわれています※9。代表的なのは、けん怠感が長期にわたって続く症状で、ほかに記憶障害や抑うつ症状、集中力の低下といった症状もよく起きています※10

高齢患者さんの場合は、重症化や持病の悪化にともなう入院の長期化によって認知症リスクが高まることも考えられますが、なかには後遺症として、記憶障害や認知機能障害が現れることもあります。新型コロナ感染経験者と感染未経験者との比較研究では、感染経験者のほうが認知症を発症しやすいという報告もあります※10ので、まずは感染しないよう予防に努めていただければと思います。

※8 WHO:Post COVID-19 condition. https://www.who.int/teams/health-care-readiness/post-covid-19-condition(最終アクセス:2024年10月10日)

※9 厚生労働省:第65回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
資料4-3 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000823697.pdf(2024年10月10日閲覧)

※10 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第3.0版 6 神経症状へのアプローチ(https://www.mhlw.go.jp/content/001159406.pdf)(2024年10月18日閲覧)

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ワクチンの定期接種を
選択肢の一つに

新型コロナは5類となり、感染対策上の法的なしばりは緩和されましたが、現在も流行は続いています※11。流行期には、マスクの着用や手洗い、こまめな換気など、これまで通り基本的な感染防止対策を行うようにしてください。また、10月1日より全国で65歳以上の高齢者や60~64歳の一定の基礎疾患※1をお持ちの方を対象に、自治体によるワクチンの定期接種がはじまりました。対象者には一部各自治体の補助があり、全額自己負担の場合1万5000円程度かかる接種費用が無料※12~7000円程度※13で接種できます。定期接種対象者の方には、ワクチン接種が可能な医療機関や助成に関するお知らせがご自宅に届くと思います。しかし、なかにはそうした案内等が送られてこない地域もあるようです。また接種期間に関しても年内または1月末迄で終了となるなど、自治体によって異なる場合がありますので、定期接種対象者の方は早めに医師にご相談ください

高齢者のワクチンの定期接種は、感染や重症化リスクの予防対策の一つとして、予防接種推進専門協議会をはじめとする各学会が推奨しています※14。また高齢者と接する機会の多い医療従事者や高齢者施設の職員の方々に対しても、特に、最後のワクチン接種から半年以上経っている方は、感染拡大の抑制のためだけでなくご自身の体を守る備えの一つとして、ご検討いただくと良いかと思います。

※11 国立感染症研究所:新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報:発生動向の状況把握 https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/12015-covid19-surveillance-report.html(2024年10月7日参照)

※12 足立区 新型コロナウイルスワクチン接種情報 https://www.city.adachi.tokyo.jp/hoken/corona_wakuchin.html(2024年11月1日アクセス)

※13 厚生労働省:令和6年度第2回予防接種自治体向け説明会:https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001307190.pdf(2024年11月1日閲覧)

※14 予防接種推進専門協議会:2024/25 シーズンにおけるインフルエンザワクチン等の接種に関する考え方(2024年9月30日)http://vaccine-kyogikai.umin.jp/pdf/20240930_Approach_to_influenza-vaccine_and_other-vaccinations_for_the-2024_25-season.pdf(2024年10月7日参照)

続けよう! 感染防止の5つの基本 続けよう! 感染防止の5つの基本

新型コロナウイルス感染症には、重症化や後遺症のリスクがともないます。
そのため、まずは感染しないよう日ごろから感染予防に努めましょう。

  • 体調不安や症状があるときは無理せず自宅療養か受診する
  • その場に応じたマスクの着用や咳エチケットの実施
  • 換気、密集・密接・密閉(3密)を回避
  • 手洗いを日常の生活習慣に取り入れる
  • 適度な運動、食事などの健やかな生活習慣を

自治体によるワクチン定期接種

  • 対 象
  • 65歳以上の方、60歳~64歳で対象となる方
  • 費 用
  • 無料~7000円程度 (各自治体の補助による)

*心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

※15 厚生労働省:第118回(令和5年3月8日)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
資料3-9. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001069238.pdf(2024年10月11日閲覧 )

新型コロナウイルス感染症総合情報サイト

「新型コロナを学ぶ」

新型コロナウイルス感染症に関するお役立ち情報を幅広く入手できるウェブサイトです。
注意すべき感染症の特徴、注意が必要な方の背景、感染予防の基本、
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CMT45O158A 2024年11月