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サッポロ 麦とホップ 10周年特別取材
麦と、ホップと、つくる人。
『麦とホップ』。原料名がそのままの、すごいネーミングである。でも、そもそも「麦」って何だろう? 「ホップ」は? どうやって「製品」に姿を変える? 『麦とホップ』発売から10年を機会に、徹底的に調べてみた。向かった先は、群馬、静岡、上富良野。サッポロビールの5人のキーマンを訪ねた。
麦屋のプライド。
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「育種には、10年後にどう実るか、というロマンがある」
麦育種開発センター/斉藤 渉
群馬県太田市。サッポロビール群馬工場の一角にある麦畑に、約5000種類もの育成系統(品種候補)が栽培されていた。
ビールは大麦を発芽させて麦芽をつくり、それをさらに発酵させた麦の酒だ。麦芽中のでんぷんやたんぱく質がビールの味わいの土台となる。サッポロは国内大手ビールメーカーで唯一、大麦を育て、観察することに加え、大麦の品種そのものを改良する、“育種”から手がけているそうだ。
麦の栽培法は地域ごとに違う。十分な収穫量が確保できなければ、品種として普及しない。「そこを勝ち抜いた大麦だけが品種となり工場に送られるからこそ、我々は絶対の自信を持っています」。バイオ研究開発部麦育種開発センターの斉藤渉は胸を張る。
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「まだまだ、大麦でおいしくできると信じています」
麦育種開発センター長/廣田 直彦
麦育種開発センター長の廣田直彦は、自分たちを「麦屋」と呼ぶ。「麦屋にしか解決できない問題があるんです」。その答えの一つが、廣田率いるチームが開発したLOX(ロックス)レス大麦だ。LOXとは大麦に含まれる酵素で、ビールの保存状態が悪いと、段ボールのような臭いの原因になる。「イネや大豆にはLOXを持たない品種がある。大麦にも同じような品種が存在するのでは」。そう考えた廣田は、約10年をかけてLOXを含まない新品種を開発した。「LOXレスは今後、世界のビール大麦の主流になる」。廣田はそう予想する。このほかにもサッポロは、画期的な品種をいくつも開発してきたという。
「麦からビールを良くしたい」。麦屋たちのプライドがサッポロの味を支えている。
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生産地ごとにふさわしい品種づくりを続けている
ホップ畑の絆。
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「生産者と喜びを分かち合えるのが、うれしいですね」
北海道原料研究センター長/大串 憲祐
麦の酒に独特の苦みと香り、輝きを与え、保存性も高めるのがホップだ。どのビール会社も上質なホップの確保に懸命だが、サッポロは、技術者が国内外のホップ農家を回って畑を見極め、さらにホップ畑をつくって自ら育種まで続けてきたという。北海道、上富良野にあるバイオ研究開発部北海道原料研究センター長の大串憲祐は、「畑から始めるのがサッポロのビールづくりだと、教えられてきたから。それだけです」と話す。
ホップは畑に設置したヒモを伝って、上へ上へとつるを伸ばす。今年2月、大串はニュージーランドで、1メートルほどの高さより下の部分に、ホップの葉が全くない畑を見た。羊を放牧し、下の葉を食べさせていたのだ。ハダニが地面から葉を伝って上ってくるのを防ぐためだ。「話には聞いていましたが、実際に見て、このホップ農家は信頼できるなと思いました」。
この方法が他で通用するかどうかはわからないし、その土地に合ったベストの栽培の仕方がある。「だから、一つずつ、見極めるしかない」。腕に自信のある農家ほど、メーカーの人間が来るのを嫌がることがある。農家との信頼関係が結べるのは、何度も通った後だ。「生産者には、ビールを持っていきます。これはあなたのホップでつくったんですよと。一緒に喜びを分かち合えるのがうれしいです」。
北海道原料研究センターでは、大串ら約10人のスタッフが、ホップの育種をしている。交配してから品種を登録するまで、通常15年ほど。商品開発まで、さらに年月がかかることもある。「育てているのはホップだけではありません。同じホップに携わる人間として、農家と一対一で話ができる“人財”も育てているんです」。
夢見る工場。
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「原料は農作物、酵母は生きもの。毎日が試行錯誤です」
静岡工場醸造部/阿部 修也
麦やホップに関わる研究者たちがバトンを渡す先は、全国6か所に展開するサッポロのビール工場だ。その一つ、静岡県焼津市の静岡工場では、広大な敷地に、巨大な発酵用・熟成用タンクが林立していた。静岡工場醸造部の阿部修也は、発売から『麦とホップ』の醸造に携わり続けてきた。「『麦とホップ』は麦原料100%とホップだけで製造されており、原料の特性がそのまま出てしまう。醸造も難しい。緊張感のともなうスタートでした」。他の同様の商品の1.3倍も時間をかける長期熟成。ホップを3回に分けて麦汁に加える手間のかかる製法。それを続けさせるのは、「モノづくりで妥協はしない」というプライドだ。
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「素材の可能性を、もっと引き出してあげたい」
商品・技術イノベーション部/西尾真秀
工場の敷地内には『麦とホップ』が誕生した研究棟があった。商品・技術イノベーション部の西尾真秀は言う。「新ジャンルの商品が相次いで発売された10年前、原料へのこだわりという原点に立ち返ったのが『麦とホップ』でした」。以来、『麦とホップ』は進化してきた。「今回は素材の配合などに工夫を加え、上質な味わいに仕上げました」。阿部も「まだまだおいしくなる」と話す。「ビール醸造の数千年の歴史に比べ、新ジャンルの歴史は10年余りなんですから」。
麦とホップにこだわり抜き、その原料の良さを最高の醸造技術で最大限に生かす。『麦とホップ』に、サッポロのモノづくりの原点を見た気がした。改めて、味わってみた。10年では、ここまではたどり着けないだろう。サッポロの人と歴史から生まれた、結晶の味がした。
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定期的に目視で様子を確認する
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巨大な発酵用・熟成用タンクが林立する静岡工場
コラム「品質へのこだわり」
『麦とホップ』は、「麦」と「ホップ」といった自然素材を材料とすることから、工業製品のように同質のものをつくることは難しい。タンクごと、季節などによって環境が変わるからである。
それを、醸造技術者が技術と経験でもって、一つの味わいに仕上げるのだ。
サッポロビールでは、定期的に全国の工場から担当者が集まり、出来上がった商品を互いに飲み比べ、味の向上への意見交換を行っている。
取材を終えて
ビールづくりが始まったのは、紀元前8000~4000年前の大昔。ドイツでは1516年に「ビール純粋令」なるものが出て、ビールの原材料を水、大麦、ホップに限ったというのだが、様々な工夫が重ねられたことの裏返しだろう。
麦芽を砕いて温水に混ぜる。ホップを加え、発酵させる。ビールづくりの基本は確立されたが、現在でも米やトウモロコシ、果実やハーブなどを足す方法が盛んに試されている。
サッポロの大麦開発者は自らの仕事を「ど真ん中の直球を磨く」とたとえた。カーブにスライダー、フォーク、ツーシーム・・・。変化球が増えても、直球が良くなければ、効果は今ひとつだし、直球が良いと、変化球の効果は倍増する。
開発者たちを思って、乾杯した。
(取材・撮影 YOMIURI BRAND STUDIO)

リキュール(発泡性)①
サッポロ 麦とホップ
発売以来、「麦」と「ホップ」だけでつくることを貫いてきた麦とホップ。10年目を迎える本年、原料とその配合比率を見直すことで、一口目の満足感と、後味の良さをとことん追求。 素材のうまさを最大限に引き出した自信作だ。
*麦芽、大麦、大麦スピリッツを使用した麦100%の商品です。
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