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企画・制作 読売新聞社イノベーション本部
座談会レポート

キャリア形成をサポートする
「教育訓練給付制度」

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労働者がキャリア形成への支援を受ける「教育訓練給付制度」。利用者の約8割が在職者で、リカレントとして制度を利用し、スキルアップやキャリアアップを目指しています。
3名の方にお集まりいただき、制度を利用した理由や今後について伺いました。

左:伊藤浩士さん 中央:山田陽子さん(仮名) 右:石川幸子さん(仮名)

将来のステップアップに活用

伊藤浩士さん

伊藤浩士さん

【プロフィル】
50代男性、食品関連の会社で研究開発に従事。海外出張も多い。定年退職後のキャリアを考えた資格取得(技術士)のために、一般教育訓練の給付制度を利用。

——教育訓練給付制度を知ったきっかけを教えてください。

伊藤スキル向上の目的、また定年の先を見越して、技術士の資格を取得したいと通信講座を探したのが、教育訓練給付制度を知ったきっかけです。講座の案内パンフレットに制度について記載されており利用しました。教育訓練施設からのアドバイスもあって、受講後、スムーズに申請することができました。

山田シングルマザーなので、何らかの国家資格があればとずっと考えていました。年齢に関係なくできる仕事は何かと考え、保育士の資格を取ろうと決意しました。ただし、仕事を辞めることはできず、生活への心配もありました。そんな折、自治体の母子家庭支援課で母子家庭の就職支援に関するパンフレットを見つけて教育訓練給付制度について知り、保育士の通信講座に申し込みました。

石川会社員時代、コロナ禍をきっかけに在宅勤務となりました。将来のステップアップについて考える時間ができて、改めて勉強し直したいと、大学院のビジネススクールに行くことを決めました。一番のネックは学費でしたが、教育訓練給付制度が大きな後押しになりました。この制度がなければ、チャレンジしようとは思わなかったですね。

教育訓練給付制度とは?

働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の20%~70%(※)が雇用保険から支給されます。

専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があり、種類によって支給額が異なりますが、資格や講座の内容は技術、情報、介護など多岐に渡ります。就職に資する内容の資格・講座が給付範囲で、現在の講座数は専門実践教育訓練給付2,820件、特定一般教育訓練給付552件、一般教育訓練給付11,625件(2023年4月時点)。土日や夜間講座への適用も進められています。

※専門実践教育訓練の場合、受講費用の50%(上限年間40万円)を6か月ごとに支給。受講修了後資格取得等し、かつ、受講修了日の翌日から起算して1年以内に就職等すれば20%を追加支給。

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職域を広げ精神面でも後押しに

山田陽子さん(仮名)

山田陽子さん(仮名)

【プロフィル】
50代女性、母子家庭のため将来に不安を感じ、いつか国家資格を得たいという思いがあった。一般教育訓練の給付制度を利用して保育士の資格を取得した。

——制度を利用された感想はいかがでしょうか。

伊藤発展途上国などの海外支援に力を注ぐため、制度を活用して得た資格は、定年退職後に活かしたいと考えています。職域を広げられて、目標に向かうモチベーションにもなりました。今後は、語学力も磨きたいと考えています。会社にも中小企業診断士、社労士などの資格を得て幅を広げたい方もいます。そういう方にぜひ活用してほしいですね。また社会的な課題としてはドライバー不足が予想されます。この制度は大型自動車免許取得にも活用できますね。

山田試験まで3か月ほどしかなく、学生時代より集中して勉強することで、無事合格できました。アルバイトで保育士の手伝いをしたことはありましたが、当時よりもレベルアップを実感できたのがうれしかったです。メンタル面の充実感も得ることができたように思います。これからは、より支援を必要とする子どもたちの役に立ちたいと考えています。そのためには専門知識や新たな資格が必要なので、保育士としてもっとレベルアップしていきたいです。

石川ビジネススクールにはすでに起業している方、企業から派遣されている方などがいました。また、子育て中のママが多く制度を利用していたのが印象的です。仕事を数年続けてきて休むタイミングで、次のキャリアをどうしようと考えたり、職場を離れることで焦りもあるのではないでしょうか。

左:伊藤浩士さん 中央:山田陽子さん(仮名) 右:石川幸子さん(仮名)

ワーキングマザーに知ってほしい

——制度について、今後期待されるのはどんな点でしょう。

伊藤雇用保険の被保険者等を対象に、頑張ろうと思ったら誰もが利用できる点がすばらしいです。これからは転職者も増えていくでしょうから、時代や労働市場のニーズや変化に合わせて、柔軟に対応していく制度であってほしいですね。

山田フルタイムで週5日働けない方、介護で大変な方もいる中で、例えば週3日、この時間帯だけなど、今後はもっと多様な働き方が求められるでしょう。価値観や多様性の広がりに合わせて、それぞれの能力が適切な場所で発揮できるようになればいいと思います。この制度は、その一助になるのではないでしょうか。

石川在宅勤務を経験し、コロナ禍前には思い至らなかったことがたくさんあります。大学院に行って情報を交換し合い、ネットワークが広がり、働く機会は多様であるということに気づくことができました。また、MBAという武器を手に入れることもできました。新しい扉を開いてくれた本当にいい制度だと感謝しています。

 特に仕事と家庭の両立で悩んでいるワーキングマザーに、ぜひこの制度を知って使ってほしいです。今一歩が踏み出せないでいるなら、きっと背中を押してくれると思います。

石川幸子さん(仮名)

石川幸子さん(仮名)

【プロフィル】
40代女性、メーカー勤務を経たのち、専門実践教育訓練の給付制度を利用して、社会人向け大学院のビジネススクールにて学び、今年3月にMBAを取得した。

教育訓練給付制度の概要

一定の条件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)または被保険者であった方(離職者)が、厚生労働大臣が指定する(4月、10月の年2回)教育訓練を修了した場合に、本人が教育訓練施設に支払った経費の一定割合に相当する額(上限あり)が、「教育訓練給付」として雇用保険より支給されます。

申請手続きは、受講修了日の翌日から起算して1か月以内に、原則として本人の住所を管轄するハローワークに対して行います。

専門実践教育訓練、特定一般教育訓練の場合には、まず受講開始日の1か月前までに訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作成する必要があります。

教育訓練給付制度の詳細はこちら
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