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コマツが地道に続けるカンボジア地雷除去支援。「社会課題を解決」の本気度が見えた

建設・鉱山機械で国内最大手のコマツは日本屈指のグローバル企業である。世界148カ国を211の代理店でカバーし、連結売上高における海外比率は9割近くに上る。6万人を超える従業員のうち、7割近くは外国籍となっている。

そんなコマツにとって思い入れの深い場所の一つとしてカンボジアが挙げられる。不幸にも戦争に苦しんだこの国で、NPO団体などと連携し、自社で開発した対人地雷除去機を持ち込み、対人地雷除去や不発弾処理活動を支援しているほか、道路や農地の整備、小学校の建設にも関わってきた。

将来に目を向けると、建設・鉱山機械業界を取り巻く環境は決して甘くはない。脱炭素社会の実現という地球規模の課題の解決に向けた対応も強く求められている。だが、こうした地道な社会への貢献はずっと変わることがない。むしろ、コマツという会社の在り方からすれば、当然なのだという。

コマツを率いる小川啓之社長に詳しく話を聞いた。

電動化、施工の最適化でカーボンニュートラル達成に前進

建設・鉱山機械業界でも脱炭素が求められていますが、コマツはどうしますか。

コマツは、経営目標の一つとして、2030年までに2010年比でCO2(二酸化炭素)の排出量を半減し、再生可能エネルギーの比率を50%に引き上げます。そのうえで、2050年までにCO2排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルの達成というチャレンジ目標を宣言しています。自動車と比べても、建機は重いうえに、はるかに大きなパワーが求められるので、実現は決して容易ではありませんが、長年培ってきた技術とノウハウを活かし、持続可能な社会の実現を目指しています。

具体的にどのような戦略で臨みますか。

コマツのサプライチェーン全体のCO2排出のうち約90%が製品の稼働時に排出されます。そこで、重要な役割を果たすのが製品の電動化です。

コマツは国内で2020年に、バッテリー駆動式ミニショベルをレンタルで市場に導入しました。今春にリチウムイオンバッテリー搭載車にモデルチェンジし、気候変動への意識が高い欧州市場に投入するなど、いっそうの普及を図っていきます。

ただ、大型建機の電動化は、既存の技術だけでは困難です。コマツはこれまでも製品の性能を左右するキーコンポーネントを自社で開発・生産してきたので、現在は燃料電池や水素エンジンなどの研究を進めています。

排気ガスゼロや騒音の大幅低減を実現したバッテリー駆動式ミニショベル
メーカーですから、新しい製品がカギを握るわけですね。

といっても、解決策はハードだけではありません。

例えば、建設現場でICT技術を活用するスマートコンストラクションにも力を入れています。ドローンで地形を測量して、現況の三次元の地形データと完成図面の地形データを重ね合わせ、それに基づき、工事の計画を立てICT建機で施工に入ります。現場での作業の進展状況も毎日データ化して、計画を修正しながら、すべての工程をデータでつなぎ、工事を進めていきます。

こうしてお客さまの施工を最適化していくことは、生産性の向上や労働力不足の解消につながるわけですが、CO2排出削減にもなります。

カーボンニュートラルは大切なことですが、企業にとっては大きな負担になりませんか。

そうは考えていません。コマツは、カーボンニュートラルへの挑戦を単純に社会貢献活動として行っているわけではありません。事業を通じた社会課題の解決が、収益向上、さらには、企業の持続的な成長へとつながる好循環を生むと考えています。いわばビジネスそのものが社会貢献活動なのです。私たちが取り組むべき社会課題の一つに、カーボンニュートラルがあると位置づけています。

東京ドーム1000個分が安全な土地に。カンボジアで響いた子どもたちの声

カンボジアでの対人地雷除去の支援をしているそうですが、どのような考えがあるのですか。

これはビジネスではなく、純粋な社会貢献活動です。ただ、社会貢献活動と私たちの事業に関係性がなければ、コマツのこれまでの知識や経験を活かせませんし、そこで得た体験を糧にして、活動を進化させていくことも難しいです。ブルドーザーをベースに対人地雷除去機を開発するなど、コマツの特長を生かしたものになっています。対人地雷が爆発したときの衝撃をうまく逃がすなど、技術陣は改良を重ねました。

コマツがブルドーザーをベースに開発した対人地雷除去機
現地ではどのような活動をしているのでしょうか。

2008年からJMAS(認定特定非営利活動法人「日本地雷処理を支援する会」)、CMAC(カンボジア地雷除去センター)という組織と連携し、カンボジアでのプロジェクトを開始しました。対人地雷除去機を持ち込んで地雷を取り除き、道路や農地などを作るための建機なども無償で貸与しています。地雷除去した面積は4300ha(東京ドームの約1000個分)、約100kmの道路を整備しました。

対人地雷を処理した跡地に道路や農地を広げることが、地域復興につながる

コマツはコミュニティを作りたいと考えているのです。ですから、小学校の建設も支援しています。2022年11月には、10校目の小学校の開校式典が開催され、私も現地を訪れました。喜んでいる子どもたちの眼差しに心打たれました。3年前からは農業仕様の建機を使って農地を再生するプロジェクトも開始しました。

2022年11月、コマツが建設を支援した小学校の開校式典にて
小学校で元気よく学ぶカンボジアの子どもたち
コマツが得たものもありますか。

機械の使われ方を見て、次の開発に生かすというのもあります。また、グローバルで事業を展開していますので、現地の方々とのコミュニケーションなどにも学ぶべき点は多いです。そして何よりも、こうした社会貢献に関わることで、社員のモチベーションも上がっていると感じています。

誠実に、息長く。収益向上とESG課題解決の好循環へ

カーボンニュートラルもカンボジアの復興支援も、とても息の長い取り組みです。

コマツでは継続していることをやめるというのは、ほとんどありません。まさに、「継続は力なり」で、品質管理もひたすら続けることを自らの長所にしてきました。これは創業の精神から来ている「ものづくりと技術の革新」と「品質と信頼性の追求」がDNAとして会社に引き継がれているからだと思います。

コマツの社員たちは「挑戦する」「やり抜く」「共に創る」「誠実に取り組む」という価値観を大切にしています。こうした会社の文化は私たちの強みです。

コマツの持続的成長に向けた戦略を語る小川啓之社長
これからのコマツはどこを目指しますか?

現在の中期経営計画で、「イノベーションによる成長の加速」「稼ぐ力の最大化」「レジリエントな企業体質の構築」という成長戦略の3本柱を立て、また多様性に富んだ人材基盤の強化も図っています。

こういった活動によって、収益向上とESG課題解決の好循環による持続的成長を確実に実現していきます。

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