監督時代は水分補給が「スイッチ」に
プロ野球の監督時代、僕はかなりこまめに水分補給をするよう心がけていました。
自分が就任して初めて実感したのですが、監督というのはとてもタフな仕事なんです。試合中は一つひとつのプレーから選手やコーチの表情まで、グラウンドで起こるすべての出来事を把握しながら、選手の起用や戦術などについて考え続けなければいけません。
緊迫した雰囲気の中であれこれと考えることに集中し過ぎて、つい水分補給を忘れてしまい、試合後に頭痛で苦しむ…ということを何度か経験し、脱水の怖さを知りました。
それ以来、僕は各イニングの始まりと終わりに、必ず水やスポーツドリンクを飲むようにしたのです。その習慣は僕にとって水分を補給するだけでなく、考えを切り替えたり、興奮した心を鎮めたりするために欠かせない“スイッチ”ともなっていきました。
タイミングは「渇きを感じる前」が◎
人は年齢を重ねるとのどの渇きを感じにくくなるそうですね。僕も還暦を超えて、まさにそのことを実感しています。
最近はよく「栗の樹ファーム」(自身が北海道栗山町に造った少年野球場)のグラウンド整備や芝刈りをしているのですが、集中しすぎて隠れ脱水に陥らないよう、「のどが渇いたな」と思う前に、こまめに水分を摂っています。
また60歳を超えてからは夜、トイレに起きることが増えました。僕はこの目が覚めたタイミングで、いつも水を飲むようにしています。
寝室のある2階からトイレのある1階に階段を降りていかないといけないので、面倒くさいのですが(笑)。これも「水分補給をするいい機会だ」と捉えることで、あまり苦にならなくなりました。どんなこともプラスに捉えた方が、人生は生きやすくなりますよね。
夢や好奇心を持ってずっと水水しく
いまは日本中の至る所にコンビニや自動販売機があって、ペットボトルに入った質の高い飲みものが簡単に手に入る。本当にいい時代になったと思います。僕が子どもだった数十年前は、のどが渇いたら公園で水道の蛇口を探したりしていましたから(笑)。
せっかくこんな素晴らしい時代に生きられているんだから、その環境を十分に活用しないともったいないですよね。
僕は現在63歳ですが、実はいま人生で一番やりたいことがたくさんあって、意欲もあるんです。夢や好奇心を持って挑み続ける限り、青春は終わりません。大人世代の皆さん、これからもお互いこまめな水分補給を心がけながら、いつまでも水水しく、人生を楽しみましょう!