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開催報告
メイン写真
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学校スポーツの改革の本格化へ

学校スポーツの改革の本格化へ

提供:筑波大学

「学校スポーツの未来を本気で創る。」をテーマに、学校の部活動改革のための具体策について考える「イマ.チャレ コンベンション」のキックオフ・イベントがこのほど、オンライン形式で開催されました。筑波大学の永田恭介学長のオープニングスピーチに続いて行われた、スポーツ庁の室伏広治長官を始めとした行政や学校現場の方ら5人の講演と先進的事例報告、さらにはそれらを踏まえた上でのオープン・ディスカッションの様子をご紹介します。
稲垣和希氏

モデレーター 稲垣和希

オープニングスピーチ

学校スポーツのオープンイノベーション

筑波大学長 
永田恭介

永田恭介氏

教員への大きな負担など、学校スポーツ=部活動は、いくつかの大きな問題を抱えています。何のために学校でスポーツ活動をする必要があるのか、児童生徒にとって健全な活動内容とはどのようなものなのか、それは地域に密着した持続可能な取り組みなのか――これらの問いについて、関係者が一体となって考え直し、これからの時代に合った部活動のあり方を明確にすることが今、喫緊の課題となっています。筑波大学では2018年に、最高の学校スポーツプログラムを創り、日本社会の未来に貢献するセクションとして「アスレチックデパートメント」を設立し、「学校スポーツ改革」に取り組んでいます。このコンベンションでの議論を通じて、学校スポーツにイノベーションを起こし、社会全体を変えていきましょう。

なぜ「イマ.チャレ」を
スタートしたのか?

イマ.チャレ編集委員長 
エデュシップ株式会社
代表取締役社長 
佐藤壮二郎

佐藤壮二郎氏

学校スポーツ改革に特化した課題解決プログラム、それがイマ.チャレです。「今から学校スポーツを改革する、チャレンジを始める」という思いから、「イマ.チャレ」とネーミングしました。具体的には、小中高の各学校や教育委員会に無償で教材サービスを提供するのに加え、オンラインプログラム、さらには今回のような関係者の意見交換の場となるコンベンションの開催などを行っており、学校スポーツの課題解決のためのプラットフォームの役割を果たしています。時代が進むにつれ、社会が求めるものが変わってきました。学校教育、学校スポーツにおいても、時代のニーズにマッチした継続的な仕組みに変えていくことが求められています。学校スポーツ改革の実現のために、イマ.チャレを有効に活用していただければと期待しています。

スポーツ庁が考える新しいスポーツ環境の在り方

スポーツ庁長官 
室伏広治

室伏広治氏

少子化による部員減、勝利至上主義がもたらす過度な指導、教員の負担の増加といった中学校の部活動=スポーツ教育が抱える課題解決のため、スポーツ庁では、これまで学校主体だったそれらの取り組みを地域主体に移行する方向で議論・検討を重ねてきました。2021年度には、新規に地域部活動推進事業を立ち上げ、まずは休日の部活動の段階的な地域移行に向けて、全国各地の拠点校(地域)において実践研究を行いました。今後その研究成果を普及させることで、全国展開していく予定です。部活動の地域移行には、人材(指導者)の確保・マッチングや一貫指導のための連携・協力体制の構築、財政問題など、課題が山積みです。子どもたちにとって、一番よい形で部活動の問題が解決できるよう、関係者の皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

経済産業省が考える
「未来のブカツ」

経済産業省
サービス政策課長
兼スポーツ産業室長 
浅野大介

浅野大介氏

※リモート参加

経済産業省では、部活動の地域移行の受け皿となり得るサービス業としての「地域スポーツクラブ」の創出の実現可能性を検証するフィージビリティ・スタディ事業(FS事業)「未来のブカツ」を2021年度、実施主体も人口規模も異なる10のプロジェクトとして全国各地で展開しました。その結果、学校、民間スポーツクラブを問わない「公平な大会参加資格」の保証や、「時間と場所」の確保・棲み分け、「有資格指導者」の育成・確保など五つの課題が浮き彫りになりました。これらの課題解決のために必要な対策を織り込んだ提言を今年4月に行う予定です。経済産業省では、この最終提言を踏まえ、地域移行の際の受け皿となる地域スポーツクラブの創出を通じ、子どもたちの生涯スポーツ環境の整備に向けて尽力していく所存です。

先進的事例の報告

地域行政主導の
部活動改革

~長野県飯田市~

代田昭久
(飯田市前教育長)

 飯田市では、より多くの生徒が主体的に関わる部活動にするために、何をすればよいのかを校長会などで議論した末、子どもたちにとって一番よい部活動をゴールとし、2020年に「スチューデント・ファースト(生徒主体)のスローガンを打ち出しました。具体的には、部活動が公教育であることから、保護者の送り迎えが必要ない、陽が明るいうちに帰宅できる完全下校時間までを部活動の適切な活動時間と設定し、下校時間が早まる11月から1月までを「冬季ジブン・チャレンジ期間」と名付け、放課後の部活動を行うことを止め、自分のやりたいこと、伸ばしたいことに挑戦する期間としました。実施後のアンケートでは、46%の生徒が「このような期間があってよかった」と回答し、「期間中、授業に集中できた」と答えた生徒は44%にのぼりました。部活動改革は3年目を迎えたものの、まだ課題は多く残されています。「子どもたちのために」を最優先事項に、それらの課題を一つずつ解決していけるよう、取り組んでいきたいと思っています。

図版
図版

学校主導の
部活動改革

~茨城県つくば市立
谷田部東中学校~

八重樫通
(つくば市立谷田部東中学校前校長)

 5年前に前任の茎崎中学校で部活動改革に着手し、その一部を地域移行するために、「受け皿となる市民団体を設立する」「受益者負担で財政を支える」「部活動とクラブの共存」「教員の兼業の活用」などの大方針を掲げました。その際、設立する市民団体のモデルになったのが、いま谷田部東中学校と協働している洞峰地区文化スポーツ推進協会(DOHO Cultural & Athletics Academy=DCAA)です。本校では基本、学校の部活動は週3日で、希望する生徒がDCAAの活動に週1日、参加しています。全生徒に対する参加の比率は、1、2年生で6、7割にのぼります。アンケート結果によると、その9割以上が肯定的な評価をしており、保護者においては、同様に9割以上の方が、「部活動とは違うよさがある」と答えています。セカンドシーズンとなる今年度からは、部活動の複線化ということで、DCAAとは別のクラブが選択できるようにしました。たとえば男子バスケットボールの場合、BCつくばがそれで、ハイブリッド部活動の成功例として、マスコミで紹介されました。

図版

オープン・ディスカッション

学校スポーツの
未来を
本気で創る。

 オープン・ディスカッションでは、室伏広治・スポーツ庁長官、代田昭久・飯田市前教育長、八重樫通・つくば市立谷田部東中学校前校長、佐藤壮二郎・イマ.チャレ編集委員長兼エデュシップ株式会社代表取締役の4氏が、部活動改革の主要課題のひとつである「地域移行」の必要性や問題点、導入の仕方などについて、意見を交わしました。

  • モデレーター
    稲垣和希氏
  • パネリスト
    室伏広治氏、代田昭久氏、
    八重樫通氏、
    佐藤壮二郎氏

これからの社会の
変化に適応した
業務の見直しと
体制強化が必要

最初に、現在の部活動のどこが問題なのか、なぜ地域移行が必要なのかについて、お聞かせください。

室伏 少子化による部員減や教員への大きな負担などが原因で、学校だけで子どもたちのスポーツ活動を支えきれなくなっています。また、国民の皆さんとの関わりでいえば、スポーツは中学校のみにとどまらず、一生を通じて欠かせないものでもあります。健康増進のための生涯スポーツの観点からも地域移行が重要な課題となっています。

代田 保護者や地域の方から地域移行のコンセンサスがなかなか得られないのが現場の現状です。子どもたちの将来のために必要だと強くメッセージを発することが大事です。

八重樫 人が幸せになるための豊かな活動を学校が担えないなら、社会がそれを担っていくように、社会システムを変えていく時期に差し掛かっていると思っています。

佐藤 教員の業務がどんどん増えていく中、学校の体制がそれに対応できる仕組みになっていません。組織論に立ち返り、教員の業務の見直しと体制強化の必要性を強く感じています。

具体的には、地域移行をどのような形で進めていけばよいのでしょうか。

室伏 地域移行は進めなくてはなりませんが、それが急だと混乱を招きます。実証実験を繰り返し、ひとつひとつ課題をクリアしていくことが肝要です。

代田 現状は、「土日」ということですが、では、どこまで地域移行を進めるかの結論がまだ出ていません。行政には、明確なゴールの絵姿を示していただきたいです。

八重樫 実践を積み重ねることしかないと思います。私が部活動改革を始めた時の周りの反発はとても大きなものでした。それに対して、事実を語ることで理解を求めてきました。具体的には、受け皿としての市民団体の設立や教員の兼職兼業の導入などを行いました。

佐藤 都市部と地方では事情が違うので全国画一のルールで実施するのは現実的ではありません。国がいくつかのモデルを示した上で、地域ごとに行政や学校、さらには外部の人も含めて議論し、どれを選ぶかを決めていくべきだと考えています。

ディスカッションの様子

中学生年代でのスポーツの全国大会の必要性についての議論が出ています。スポーツ庁では、どのようにお考えでしょうか。

室伏 学校単位でなければ参加できないことが、受け皿として民間スポーツクラブを想定している地域移行へのハードルとなっていることから、関連団体に改善をお願いしています。私自身、部活には参加していたものの、中学生の段階で全国大会に出場したことはありません。発達の段階に合った指導を心掛けていただきたいと思っています。

学校、地域、家庭が
手を携える
他律から自律への
方向転換

最後に、未来の望ましいスポーツ活動のあり方として、皆さんが思い描いている姿について、お聞かせください。

室伏 学校に加え、地域のコミュニティ、その最小単位となる各ご家庭がともに手を携え、子どもたちの健全な育成に取り組んでいただければと期待しています。

代田 いまの「やらされている」部活動ではなくて、生徒が自ら進んで取り組むように、他律から自律へ、生徒たちが自分で考え、やりたいことをする方向に転換していく必要があると思っています。

八重樫 私は、子どもたちがスポーツそのものに喜びを感じ、芸術に感動を覚えることができる環境が、最も望ましいスポーツ・文化活動だと考えています。

佐藤 子どもたちがスポーツとの関わり方を主体的に選択する時代になってほしいと願っています。

本日は、ありがとうございました。

ディスカッションの様子

クロージング

主体性とリーダーシップで
改革を

山田晋三氏

筑波大学アスレチックデパートメント 副アスレチックディレクター
山田晋三

 筑波大学アスレチックデパートメントの立ち上げ時、「何のためにやるのか」について徹底的に議論しました。「より良い、より豊かな人生のためにスポーツがある」と定義し、目的を明確にして取り組むことが大切だと考えています。
 次の世代を担う子供たちが、多様な選択肢を主体的に選ぶことができる社会が求められています。そのために、学校スポーツに関わる人には、リーダーシップと時代に合わせたアップデートが必要です。今後も冊子ではもちろん、オンラインセミナーや関係者が集うセッションなどで、改革に取り組んでいきたいと思います。

山田晋三氏
本イベントのアーカイブ動画は、
イマ.チャレ公式YouTubeにて
公開しております
筑波大学

筑波大学
アスレチックデパートメント

米国の大学スポーツ局の研究を経て、2018年に設立されました。学校内のガバナンス・安全対策・人材育成そして貢献事業の開発を担い、それらの取り組みを教材化することを通して、日本社会における学校スポーツの発展に貢献することを使命としています。イマ.チャレの製作に携わる団体の1つです。

イマ.チャレ
「学校スポーツ(主に部活動)の改革」に特化した日本初のメディア

学校スポーツジャーナル
「イマ.チャレ」

これからの時代における学校スポーツの在り方、部活動改革の最新事例を、全国の学校・教育委員会へ広く発信することを目的として、2021年7月に創刊しました。今後はオンラインプログラム等を通じて、部活動改革の具体的な実践も後押ししていきます。

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