リカレント教育とは、社会人が必要な能力や技能を修得する学び直しのことです。
2019年4月に本格的にスタートした茨城大学リカレント教育プログラムは、1科目から自由に選べるオープンコース、体系化された科目カテゴリから選択して学ぶ専門コース、企業・自治体に応じてカスタマイズしたカリキュラムを提供するカスタムコースという3つのコースで構成されています。
このうち茨城大学のプログラムの最大の特徴であるカスタムコースは、社員・職員の学びに大学を活用したいという企業・自治体からの相談に応じて、それぞれの組織が抱える課題や戦略などを丁寧にヒアリングし、茨城大学が開講している授業科目を最適なカリキュラムに構成して提案するものです。2019年度は茨城県内の2企業、1自治体のプログラムが生まれました。今後さらに拡充していく計画です。
大学では、参加しているさまざまな企業・団体の受講者同士の交流の機会もつくっています。若い学生や大学の教員はもちろんのこと、他業種の社会人との活発なコミュニケーションが生まれることが、個の学び直しを超えて、豊かな企業文化の醸成や新たなアイデアの創出、ひいては地域社会の活性化へとつながることが展望されます。
茨城大学リカレント教育プログラム
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オープンコース
誰でも自由に学べる(個人向け)茨城大学の公開講座・公開授業の中から、どなたでも1科目から自由に選んで学べるコースです。
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専門コース
じっくり学びたい方に(個人・組織向け)体系化した科目カテゴリから選択して学ぶコースです。60時間以上の受講により受講証明が授与されます。
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カスタムコース
相談に応じてカスタマイズ(組織向け)企業や団体の従業員育成の支援を目的として、要望に応じて教育プログラムをカスタムメイドして提供します。
勉強することの意義は誰もが理解しているでしょうが、何を学ぶかだけでなく、どんな環境で学ぶかも大事なのだと思いました。大学で学生に交じって授業を受けるということが、色々な意味で刺激となり、仕事とは違う緊張感はもちろん、こういった機会を無駄にしたくないという思いを強く持てたことは、プログラムの申込時には想像していませんでした。今回、私が受講した科目は哲学概論です。何の疑いもなく受け入れていた日常生活の身近な常識や価値観について、見つめ直すきっかけや考え方が得られたことが、受講して良かった点です。とりわけ、介護・保育業界に関わる私としては、道徳判断の評価に対する考え方を理解しようとすることの重要性も再認識できました。初めは、仕事とは関係のない、単なる興味から科目を選んだつもりでしたが、結果として、仕事にも役立つ講義だったと感じています。
心理学についての授業の中で、私が一番印象に残った分野は情動(感情)の心理学でした。その中でも今後の自身の行動に参考にすべきと思ったことが二つあります。ポジティブな感情は身体に大きな影響を与えることと、自分自身の感情に対する制御の方法です。怒りにまかせて言葉を発しない、行動しないように注意しなければとつくづく思いました。今回、リカレント教育プログラムを受講させていただき、社会人となってから改めて学び直すことは学生とは違った視点、仕事や日常生活と結び付けて学べて刺激がありました。