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※掲載の肩書は取材当時のものです。

グローバル時代をどう生きるか ~卒業生からのメッセージ~ ③

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野菜スイーツで自分らしさを追求

――大学卒業後は「自分の店」を持つという目標に向かって歩み始めた柿沢さん。2006年、満を持して東京・中目黒に野菜スイーツ専門店「パティスリー ポタジエ」をオープンするまでの経緯についてお聞かせください。

 大学を卒業してからはまずケーキ店に就職し、接客を中心に経験を積みました。それからカフェレストランを経営する企業に転職し、メニュー開発や食材管理、アルバイト管理などの店舗運営全般に携わるうちに、いつか“自分の店”を持ちたいと思うようになったのです。当時、私はマクロビオティックといわれる自然食やベジタリアンの手法に関心を抱くようになり、こうした分野に自分ならではの方向性を見出せそうな手応えを感じ始めていました。

 大きな一歩を踏み出したのは2003年、夫の実家がある栃木県・宇都宮市にカフェレストラン「オーガニックベジカフェ・イヌイ」をオープンしました。オープンにあたっては、文学や芸術サロンや政治討論の場としての文化があるフランスの「カフェ」に近いものをイメージ。また、当時としてはまだ珍しかったオーガニック食材や地産地消をテーマに、野菜を中心としたバランスの良いメニューを提供することで、食べることで健康に近づける食事を広めていきたいという思いがありました。

 栃木やその近隣には有機栽培の農家が多く、店を始めるにあたって初めて野菜が作られる現場を目の当たりにすることになりました。都会育ちの私は、それまでまともに畑や田んぼを見たことすらなく、畑の野菜に触れ、「生きているんだ!」と感動すると同時に、何も知らずに生きてきたことに反省もさせられました。そして、この素晴らしい野菜を都会の人にもっと知ってもらうために、自分にできることを模索し始めたのです。

 野菜を使ったスイーツは、お客様からのリクエストで“びっくりするケーキ”を作ってほしいと頼まれ、野菜を入れたのがきっかけでした。大変な試行錯誤がありましたが、自分で想像した以上のものができあがり、そのお客様に喜んでいただけました。形の悪い野菜もケーキであれば活用できますし、ジャムやパウダーにすることで野菜の命を延ばすことにもつながります。お客様だけでなく農家さんにも喜んでいただけたことで、これこそ自分らしさを打ち出せるものだと自信を持つことができました。そして2006年、東京の中目黒に世界初となる野菜スイーツの専門店「パティスリー ポタジエ」をオープン。口コミやテレビなどの取材の影響や、珍しさもあって注目いただき、順調なスタートを切ることができました。

 今では野菜スイーツのメニューも充実し、地方からの引き合いもあります。知名度の低い地方の特産野菜を使ったオリジナルスイーツを作り、地域興しに活用するなど、新たな可能性も広がり始めています。また2013年には台湾にも関連店舗を出店し、今年の秋には新たにタイのバンコクにも出店する予定です。さらにはアメリカ、イギリス、フランスなどでも事業の話が持ち上がっています。大学で仏文科を選んだときから、いつかは海外を意識しながら仕事をしたいという目標がありましたが、パティシエールとしての仕事がここまで広がるとは思ってもいませんでした。

 栃木や東京での経験から始まり、現在では日本各地の農家とのコラボレーションや、子どもたちに向けた食育の授業なども行っており、色々な場面で私達の事業が喜ばれているという実感があります。それを世界に向けて発信していきたい、というのは自然にわき上がってきた思いでもあり、まだまだ広げていけるものと期待を抱いています。

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