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※掲載の肩書は取材当時のものです。

女子中・高等科 国際化への取り組み

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その時代に生きる女性にふさわしい品性と知性を身につける教育を目指す学習院女子中等科・高等科では、国際化と真摯に向き合いながら、独自のグローバル教育を推進している。女子中・高等科の加茂亜紀子教務課長と河野容介教諭が、現在進行形の国際化への取り組みについて語った。そのインタビューの模様をお届けする。

表現力を養う伝統の英語教育

——先生方はどのような中・高校生活を送られましたか。教員という道に進まれた経緯についてもお聞かせください。

加茂 亜紀子(学習院女子中等科・高等科 教務課長)

加茂

いわゆる公立の共学校に通った私ですが、“海外”というものに目覚めたのは中学生の頃。洋楽、洋画の魅力に取りつかれ、高校生になると神保町界隈でロックの雑誌を探しによく出かけたり、洋楽のライブを観に行ったのもこの頃ですし、英米だけでなく、ヨーロッパのアンダーグラウンド的なものに傾倒するなど、異文化への興味は常に持ち合わせていたように思います。大学では当初、「英語はありきたりすぎる」と思い、仏文科に入学したのですが、途中で考えを改めて英文科に転科しました。また、在学中に教職課程を取ったのは、女性が一生続けていける職業として興味を抱いたから。親戚に教員経験者が多く、また実際に母校で行った教育実習も非常に楽しかったこともあり、自然な形で教員の道を進路に選んだように思います。

河野

私は子供の頃から人を楽しませること、笑わせることが大好きで、当時はコメディアンになりたいと思っていました。そんな私が教員の道を選んだのは、高校生の頃、ニュースで子供のいじめや自殺の問題がよく取り沙汰されており、そうした状況に対して自分に何ができるのだろうと考えたのがきっかけでした。自分が教壇に立ち、生徒たちを心から笑わせることで、人生を楽しいと感じ、少しでもいじめや自殺がなくなればという思いを抱き、教員になるべく大学に進学しました。現在、私は英語教師を務めているのですが、そもそも英語に興味を持ったのは、海外のコメディを字幕なしで理解したいと思ったからです。外国の人と同じタイミングで笑いたい、そして世界の人々を笑わせたい――それが私の英語学習のモチベーションになり、今につながったのだと思います。

——外国語学習や異文化理解の伝統の継承をはじめ、過去から現在に至る、これまでの学習院女子中・高等科の国際化への取り組みについて概要をお聞かせください。

河野 容介 (学習院女子中等科・高等科 教諭)

加茂

学習院女子中・高等科は、1885年に創設された華族女学校を前身とする伝統ある女子校で、戦前から海外で活躍する卒業生を数多く輩出してきました。また、現在に通ずる国際化への取り組みとしては、1977年にスタートした帰国子女入試が象徴的といえます。帰国子女入試にあたっては英語、フランス語、ドイツ語、中国語、そして日本語いずれかでの作文を課してきました。しかし海外渡航が欧米以外の、特にアジアへ広がった現在は、作文の使用言語は英語と日本語のみとなっています。ただし、今でもドイツ語、フランス語の授業は高1~高3までの必修選択科目として行われており、伝統として受け継がれています。ここでドイツ語、フランス語を3年間履修することで、大学の中級レベルの力をつけることができます。

 また英語教育については、中1から高3まで少人数制の分割授業を行っています。中1の段階では、小4から英語を学んできた初等科からの入学者中心、一般入試を経た入学者、そして帰国生を中心とした3つのクラスでスタートします。ただし中1の3学期以降は、かなり力も均衡してくるため、帰国生クラス以外は名簿順で二分割し、授業を行います。そして中3以降は習熟度別に編成していくことになります。帰国生クラスの生徒については、現地で身につけた英語力をさらに磨いていくことを目的に、ディスカッションやグループワーク、レポートなどを中心とした授業を中等科卒業まで受け、さらに高等科でも、帰国生や同程度の力のある生徒を主体とした上級クラスをとることができます。

 授業の中身としては、中高一貫向けのより高度な教科書を採用しています。中1の段階からネイティブの教員による授業を行うほか、普段の授業の中から英語による発表の機会をひんぱんに作り、さらにラジオの基礎英語を聞く自宅学習を中1から課しています。必然的に生徒たちは、かなりの時間と分量を英語の勉強に注ぐことになります。

河野

普段の授業でも、英語に触れ、英語で話し、英語でアウトプットするような機会をたくさん設けています。私が行ったものとして、中等科2年生の生徒たちに英語での多読をすすめ、印象に残った本をブックレポートという形でポスター発表するという課題を設けました。このときは投票によりクラスの代表を決め、学年全体の前で発表するところまで発展させました。ほかにも日本の観光ツアーを考え、英語でプレゼンテーションするといった活動など様々行っています。何より生徒たちが英語に関心が高く、こうした表現活動に前向きに参加してくれるところが本校の特長だと思っています。こちらが要求した以上の反応が返ってくることが多く、教員としても大変やりがいがあります。

加茂

プレゼンテーションの場数をこなしているせいか、英語に限らずどの教科でも調べたり、発表したりすることが好きな生徒が多いように感じます。英語のちょっとした発表でも、見せ方に工夫をしたり、小道具を使ったりと凝ったプレゼンテーションが多く、ある意味、女子中・高等科の伝統になっていると言えるでしょう。

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