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※掲載の肩書は取材当時のものです。

グローバル社会に必要とされる人材とは

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人間力を培う土台づくりの場

——グローバル社会が活躍の舞台となる、学習院女子大学に通う学生たちに向けてアドバイスをお願いします。

 グローバルという言葉は、実に様々な意味を内包しています。しかし特に貧困問題という観点からグローバル社会を見たときに、そこはおかしい世の中であるという事実から目をそらさないでもらいたいと思います。ありあまるほどの物に囲まれて暮らす私たちの傍らでは、食べ物や着る物にも困るような貧しい人たちがいる――彼らが目の前にいないから放っておくというのはおかしなことであり、積極的にアプローチしていくことが必要です。よその国の問題だからと目をそらすのではなく、問題解決に向けてどう自分が関わることができるのかを、常に意識しておけると少しずつ世界は変わってゆけるかもしれません。

 誰もが国際協力機関に勤めたり、NGOに参加し、何らかの活動をする必要はありません。直接携わらずとも、国際援助の現場で活動する組織や人々を応援するのもよいかもしれません。例えば、NGOの会員になったり、興味ある報告会やイベントに参加したり。できれば寄付をする、寄付をする意味を考えてもらいたいと思います。日本は他の先進国と比較すると一人当たりの寄付が少ないです。アルバイトしたお金でもよし、イベントを開催して収益をあげてもよし、それを仕事としてやっている人たちに託す、信頼する。これからのグローバル社会の中では、信頼すること=お願いすることがとても大切になってきます。貧困はグローバル社会を俯瞰する上で見過ごすことのできない問題です。自分の権利・主張ばかりを押し通そうとするのではなく、グローバル社会で生きていくことの責任を意識することは、この先どんな分野で働くにせよ、欠かせない視点になるものと思います。

——最後に読者に向けて、メッセージをお願いします。

 学習院女子大学では、日本を含めたグローバル社会という大きなステージの中で、それぞれの学生たちの個性を尊重する教育をモットーとしてきました。決して一様の教育ではなく、学生たちには自分自身がどういう女性でありたいのかを考える機会が数多く提供されており、ひいては自分がやりたいことをどうすれば実現できるのか、具体的に考えることにつなげています。

 型にはまることを要求された以前の日本とは変わって、今の世の中では自分自身を個として表現することができます。反対にできないと、生きづらくなっています。そのため、グローバル社会を生き抜くための“人間力”を培う土台づくりを、学習院女子大学は実践しているのです。

 私の個人的な印象ではありますが、学習院女子大学に通う学生は非常に気立てが良い一方で、理知的な考え方ができる学生が多いように感じます。ともすれば批判ばかりが先行しがちな世の中にあって、しっかりと問題の本質を捉えることのできる本学の学生たちの資質は、グローバル社会を生きる上で大切なものです。これからもこの優しさと鋭さを兼ね備えた本学の学生たちの素晴らしい資質を育てる教育を実践し、日本の国際協力・援助の分野をリードするような人間を送り出していきたいと考えています。

[2015.05.01]
プロフィール

伊藤 由紀子(学習院女子大学 教授)

伊藤 由紀子(学習院女子大学 教授)
日米両国の大学および英国の大学院で開発援助を専攻。1993年から1年間、ネパールのNGOで活動。1995年~97年まで難民を助ける会・ルワンダ事務所駐在。現在は学習院女子大学教授として後進の指導にあたる。専門は国際協力、NPO、NGO。

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