コロナ禍における学習院のキャリア支援:特集: 学習院TIMES 学習院大学:読売新聞オンライン

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特集 Special Contents

※掲載の肩書は取材当時のものです。

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学習院のキャリア支援の強み

――その後、現在に至るまでの支援状況はいかがでしょうか。

ZOOMを利用したオンライン企業説明会の様子

淡野 オンラインの取組みは継続しています。ですが、就職活動ではこういう状況でも適応して順調に進む学生だけでなく、うまく進まずに悩んだり迷ってしまったり、どうしても直接会ってケアをする必要のある学生が出ます。そのため、緊急事態宣言が明けて6月には、キャリア・就職に関して直接指導が必要な学生の入構ができるようにし、密にならないよう完全予約制で対面での個別相談を再開しました。もちろん、カウンターへの透明ビニールシート設置、アルコール消毒液の設置、朝夕の消毒作業など、キャリアセンター内の感染防止策を講じた上での実施です。

 7月の今は、12社の枠で、キャリアセンター主催のオンライン企業説明会を実施しています。これも本来は、3月後半から学内で企業・学生が集まって行うものでしたが、学生・企業の方のニーズを把握し、オンラインでの学習院大学生に向けた説明会を実現させました。学内説明会を希望する企業に来学いただき、センター内で説明会を配信、学生は自宅から参加する形式で、参加学生には、事前に、企業情報の予習と、目的を明確化した上での参加を指導しています。今後も、そのときどきの学生と社会の状況に応じて臨機応変に対応しながら、331日の卒業まで伴走・追走して行く覚悟です。

増本 この有事対応は、まさに「自走型人間」の実践ですね。「自走型人間を育て、私がやります精神を」という方針を、学生に求めるだけでなくキャリアセンターも実践するという、言行一致のさまがすばらしいと思います。

 これだけ変化の激しい時代においては、変化対応力、すなわち、目の前で起こったことにどのように意味づけし、対応していけるかが非常に重要です。この有事対応や、「脱・前例主義」に基づいた講座や施策の見直し・リニューアルなどは、キャリアセンターが変化対応力のある組織であることの表れではないでしょうか。

 そして、その土台にあるのが、未来を展望する視点です。今後の社会の変化を予測し、その中で学習院がどうあるべきか、学生たちにどのような力をつけてもらうべきかを常に考え続けているからこその、変化対応力だと感じています。

――ほかにも、学習院のキャリア支援に特徴的だと感じられるものはありますか?

面接対策セミナーの様子

増本 最大の特徴は、学習院という歴史・伝統のある組織としての学内外の豊かな関係資本が挙げられます。5年目を迎えた国際社会科学部の教員とも一致団結してさまざまな支援を行なっていますし、何よりも、後述の面接対策セミナーを通じて30年間にわたって築かれたOBOGのコミュニティの大きさは学生数が多いとは言えない学習院規模の大学としては異例と言ってよく、また、そのコミュニティとキャリアセンターとの関係の深さは、他大学にない関係資本だと思います。

面接対策セミナー全体会。壇上は協力いただいたOB・OGの皆さま

 その象徴が、毎年1月に3年生と修士1年生を対象に実施される「面接対策セミナー」でしょう。OBOG350人、4年生約150人がサポーターとして参加し、学生1300人の面接対策を無償で支援するという取り組みですが、これだけの人数の卒業生が戻ってきて現役学生を支援するのは、学生時代に受けた支援が自らの中に深く残り、それを後輩に返したいと思うからこそ。この関係資本は大きいですね。

 また、先ほど淡野さんが話されていた、必要な学生に対して、就職活動において6月・7月のこの時期にケアすることの重要性を認識し、社会状況を見極めつつ、学生のためにいち早く、必要とする学生がキャンパスに来て個別相談できるようにしたことも、一般的には判断を躊躇する中で希少な機会だと思います。それを実施できたのは、キャリアセンターが必要なことをやっているという信頼を受けている証ですし、まさに、脱・前例主義、自走型、私がやります、ですよね。掲げた方針を地でいっているのが、学習院のキャリアセンターの強さだと感じています。