広告 企画・制作 読売新聞社広告局
「ウッドデザイン賞2022」受賞作品が決定
木の良さや価値をデザインの力で発信
木の活用によって社会課題の複合的な解決をもたらし、イノベーション・新産業創出に寄与する作品を顕彰する「ウッドデザイン賞2022」の受賞作品が決定した。SDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラルへの取り組みが社会課題となる中、国内での木の活用の重要性が注目されている。国産材の利用を進めることは、二酸化炭素(CO2)の排出量の削減や森林の保全につながるためだ。2022年12月7日に都内で行われた記念シンポジウムでは、受賞者が作品のねらいなどを説明し、今後の木の活用や意義について語り合った。
「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値をデザインの力で再構築することを目的に優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究などを顕彰している。主催する一般社団法人日本ウッドデザイン協会(隈研吾会長)は、ウッドデザインを「木を使うことで社会課題の解決を目指す活動」と定義している。
「ウッドデザイン賞2022」は、最優秀賞として農林水産大臣賞、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞の4つの賞を設けた。国土交通大臣賞は「HULIC & NEW GINZA8」(竹中工務店)、経済産業大臣賞の「ワーカーのウェルビーイングな働き方をサポートするビッグテーブル 『シルタ』」(イトーキ)、農林水産大臣賞の「MOKUWELL HOUSE」(MEC Industry)、環境大臣賞「SANU 2nd Home」(Sanu)が受賞した。
シンポジウムでは、受賞者によるプレゼンテーションの後、赤池学・ウッドデザイン賞審査委員長の進行で、「都市を森林(もり)に~企業価値を高めるウッドデザイン~」と「ウッドデザインが拓く、地域発の新たなバリューチェーン」をテーマにパネルディスカッションが行われた。
国土交通大臣賞の「HULIC & NEW GINZA8」は、CLT(直交集成板)を活用した高層木造ハイブリッド建築による12階建ての商業ビルで、都市の木材利用の炭素固定を促すモデルの先進例として評価された。日本で初となる12層の木造架構を持つ。CLTは、板の層を各層で互いに直交するよう重ねて接着して強度を高める。中高層ビルの柱や梁(はり)を木製とすることが可能となった。受賞者を代表して竹中工務店東京本店設計部の梅野圭介氏と島田潤氏が登壇し、厳しい耐火基準などをクリアした作業工程の様子などを説明するとともに「これからは中高層の都市木造の時代になる。都市木造の規模拡大の実績を積んでいきたい」と意気込みを語った。
経済産業大臣賞の「ワーカーのウェルビーイングな働き方をサポートするビッグテーブル 『シルタ』」はオフィスの木質化を促進する取り組みとして選出された。イトーキ商品開発本部の小島勇氏は、「1日の3分の1を過ごすオフィスをリビング、カフェのようなものにする傾向にある」と開発の背景を説明。さらに「木の効果について、働く人に良い効果があり生産性を上げることをエビデンスとともにアピールしたい」とした。
農林水産大臣賞の「MOKUWELL HOUSE」は、高品質と低価格を両立させるとともに地域材の高付加価値化、木の魅力を味わうことができる空間の提供といった複合的な課題解決への取り組みが評価された。CLTを採用した「純木造プレファブリック住宅」で、MEC Industry代表取締役社長の小野英雄氏は、「工場でのプレファブリケーションによって安定した品質を保つことができている」と説明した。同社は建築用木材の生産から販売までを統合して行っている。
環境大臣賞「SANU 2nd Home」は、国産材を使用し、環境再生型事業の良質なモデルとして評価された。SanuのCEOの福島弦氏は「我々のビジネスモデルは別荘のサブスク。デザインにも注力し、自然に興味を持っていなかった層にも注目してもらうことができた」と語った。
主催=一般社団法人日本ウッドデザイン協会
後援=農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省