住み慣れた自宅でその人らしく過ごす患者を支え、望みに寄り添う
医療法人社団ARCWELLの山岡桂太理事長は、東京都世田谷区や大田区、神奈川県川崎市、相模原市などで計8カ所のクリニック(いずれも機能強化型在宅療養支援診療所、在宅緩和ケア充実診療所)を運営しており、病院と同じような医療を自宅で受けられる在宅医療を目指している。様々な疾患に対応し、24時間365日の訪問体制をとっている。クリニックの特徴や強みなどについて話を伺った。
理事長
山岡 桂太
やまおか・けいた 北里大学医学部卒業後、昭和大学藤が丘病院整形外科。日本整形外科学会認定整形外科専門医。
様々な疾患に各科目の医師が対応。自宅にいながら高度な医療を提供
私は地元の島根県で地域のかかりつけ医をしていた父親の背中を見て育ちました。子どもからお年寄りまで地域の幅広い世代の方々に寄り添い、信頼されている父の姿に憧れて、私も父のようになりたいと医師を志しました。大学卒業後、整形外科医として経験を積んだ後、都心で在宅医療をやりたい思いが強くなり転向しました。
現在、都内に4クリニック、神奈川県に4クリニックがあり、各クリニックには常勤、非常勤あわせ3~4人の医師が在籍。24時間365日、呼ばれたらすぐ訪問できるようオンコール体制を敷いています。各クリニックを拠点にケアマネージャーや訪問看護師などとの多職種連携も行っています。
外来もありますが基本的には往診、訪問診療がほとんどです。通院が難しく自宅での療養や生活を希望される方、緩和ケアを必要とされている末期がんの方など、どんな場合でも診療が必要な患者様の支えになりたいと思っています。
高齢になるにつれて疾患が多岐にわたる方は多く、主治医の診察後、専門の診療が必要と判断すれば医師が訪問する体制を整えているのも強みです。私は整形外科医ですし、心臓血管外科、皮膚科、神経内科、眼科、耳鼻科、精神科などの医師もいて、ほとんどの疾患は対応できています。クリニックが1カ所だけだと難しいですが、これができているのは近隣にクリニックが何カ所もあるため、医師が午前中はここ、午後はあそこといったように効率よく診て回れるからです。
往診時には、レントゲン、心電図、超音波などポータブルの検査機器を車に積んでおり、たとえば骨折ならその場でレントゲンをとってすぐに診断できますし、電気メスもあるので床ずれなどの治療も可能です。抗生物質や点滴、注射などの薬も取り揃えているので、自宅にいながら高度な医療を受けることができます。
「自分の家族を預けられる在宅医療」を目指す
在宅医療というのは生活の中に医療が組み込まれていますので、望まれていることは何かを患者様やご家族とよく相談しながら治療していく形をとっています。病院の医師なら「これをやってください」「これはしないでください」といいますが、私たちは「これはできる? できないならこうしてみようか」と、各々の患者様の状態に合わせた提案していくことを心がけています。
たとえば、余命わずかの末期がんの方が「酒、タバコを嗜みたい」と言われた時、全て禁止するのではなく摂取量を管理しながらある程度は認めるとか、誤嚥性肺炎を起こす可能性があると言われた方が「うなぎを食べたい」と言われたらなるべくリスクの低い食べ方を考えるなどです。
患者様の要望は人それぞれなので、本当の望みは何かをしっかり聞き取って、希望を叶え、満足していただくにはどうするのが最善かを常に考えながら接しています。
医師やスタッフは20代から40代と若い世代が多く、24時間365日、いつでもすぐに駆けつけられるフットワークの軽さも自慢です。今後はマンパワーを増やして緊急時の往診の充実をはかり、スタッフが希望の休みをとれるようにするなど、もっと働きやすい職場にしていきたいです。また、在宅医療に関する地域の勉強会などにも積極的に参加し、連携を深めたいと思っています。
目指しているのは、自分の家族を預けられる在宅医療です。住み慣れた場所でその人らしく過ごせるよう、これからも満足度の高い在宅医療を提供してまいります。
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