一般財団法人 同友会 藤沢湘南台病院

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藤沢湘南台病院 ロゴ 藤沢湘南台病院肛門と大腸疾患に確かな実績。
大腸がんのダビンチ手術も軌道に

痔は適切な治療を受けないと拗(こじ)らせる例が多い。藤沢湘南台病院では患者一人ひとりのために根治手術を提案。一方2019年のダビンチ導入以来、緻密な操作性を生かした手術で、直腸脱と直腸がん、結腸がんの治療実績を高めている。

鈴木 紳祐

副理事長
副院長
鈴木 紳祐

すずき・しんすけ/ 2007年浜松医科大学卒。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本大腸肛門病学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、ロボット手術(da Vinci)術者Certificate取得。



大腸と肛門のためのAELIC(エイリック)センター始動

 創立91年を迎える藤沢湘南台病院。当初から結核等感染症予防・治療に尽力するなど、地域医療の礎を築いてきた。現在は外科・内科領域にまたがる23診療科を網羅。24時間365日体制で救命救急にも即応する。
「近年、大腸肛門疾患専門の『AELIC(エイリック)センター(肛門、内視鏡、腹腔鏡、炎症性腸疾患、化学療法の頭文字)』が脚光を浴びています。特に痔は日本人の約8割が罹患するといわれ、市中のクリニックでは完治に至らない難症例の方の”駆け込み寺”となっています」と語るのは副理事長・副院長の鈴木紳祐医師だ。
 同センターには日本大腸肛門病学会専門医および指導できる立場の医師4名が常勤。痔疾は痔核、裂肛、痔瘻(じろう)の3つに大別できるが、”奥”まで丁寧に診察すると複数を合併する症例が数多くみつかるという。
「患者様の年齢やライフスタイルを鑑みた根治手術を提案します。排泄は生命維持活動の根幹をなす機能であり、肛門はそのために生涯働き続ける。病巣を適切に取り除くと共に、肛門括約筋は最大限温存して便失禁を防ぎ、快適な排便を取り戻すことが治療の目的です」
 痔瘻により肛門周囲膿瘍(のうよう)をきたし、細菌感染が進むと全身状態が悪化する。その際は、緊急手術を要するが、麻酔医や集中治療医が常勤勤務しており、夜間休日でも対応できる。糖尿病や心臓病など基礎疾患のある方も安心して受診できるのは、総合病院ならではだ。
「再発防止のフォローアップも肝心。肛門括約筋の筋力を計測し、骨盤底筋群と併せて鍛える体操を指導したり、食事や運動習慣のアドバイスを行ったり、お尻とは一生のお付き合いです」

腹腔鏡手術の様子

腹腔鏡手術の様子


ロボット支援下手術で直腸脱と大腸がんを治す

 痔とともに増えているのが肛門から腸がはみ出す「直腸脱」だ。便失禁、痛み、出血で生活の質が著しく損なわれる。「経肛門で大腸の一部切除や絞り込む術式もありますが、お腹の中から釣り上げる腹腔鏡下直腸固定術がより確実。子宮脱や膀胱脱を合併するケースでは婦人科や泌尿器科と連携し、根治手術を実施します」
 健康保険の適用ではないが、ダビンチ(ロボット支援下手術)による直腸固定術の臨床試験は30例を超え、現在再発がなく好成績。遠方からも希望者が訪れる。
「一方、大腸がんは直腸がん・結腸がんともロボット手術が保険適用となり、当院ではダビンチ手術に移行した。3Dの高細密画像により腫瘍と周辺組織が細かい血管や神経まで立体的に映し出され、お腹の中で手術をしているような臨場感がある」
 術者の操作と器具先端の動きを調節するモーションスケール機能や、自在に動くアームの関節仕様など操作性にも優れる。「直腸周辺には排便、排尿、性機能を司る神経叢(そう)があり傷つけては一大事。結腸がんの手術でも複雑なリンパ節郭清(かくせい)があり、緻密な作業はダビンチの独壇場」
 無理なく肛門を温存できる、便失禁などの合併症が低減したという医療関係者の声は多く、「当院のデータでもダビンチ手術後の治療成績が良い」のだという。
 現在ダビンチ手術は大腸がんと前立腺がんが対象だが、有資格者の増員で胃がん、膀胱がん、腎臓がんなどへ広げる予定だ。
 また、緩和ケア内科と緩和ケア病棟があるため、がんの全人的な医療も実現している。
 当院では啓蒙活動としてホームページを充実し、動画での情報発信も積極的に行っている。

ダビンチ(ロボット支援下手術)の様子

ダビンチ(ロボット支援下手術)の様子

手術実績


HOSPITAL DATA

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