我孫子東邦病院/増設されたロボット支援下手術専用手術室

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[ロボット支援下手術] 男性/前立腺がん全摘術 女性/骨盤臓器脱

ロボット手術を得意とする泌尿器科の専門病院。
骨盤臓器脱など女性特有の病気にも対応

我孫子東邦病院は前立腺がんをはじめ、前立腺肥大症、尿路結石などの泌尿器科の治療で知られる。「ダビンチ」を使用したロボット手術も10年以上前から行っており、近年は女性特有の骨盤臓器脱にも活用。地域の病院や診療所と連携しながら、先進的な泌尿器科の治療に取り組んでいる。

藤尾 圭

理事長
藤尾 圭

ふじお・けい/2005年東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター大森病院、岡山大学病院、我孫子東邦病院、岡山大学病院泌尿器科助教などを経て、16年我孫子東邦病院副院長、18年8月から現職。医学博士(岡山大学博甲)。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医。日本骨盤臓器脱手術学会所属。日本女性骨盤底医学会所属。



ロボット手術の実績は10年で900症例以上

 前立腺がんに対するロボット手術が保険適用になったのは2012年4月だが、我孫子東邦病院では同時期に「ダビンチ」を導入した。18年には新型に更新。2012年4月~2022年12月の累計で900症例以上を実施してきた。
「昨年(2022年1月~12月)はコロナ禍においても115件。これは全国でも有数といえるでしょう」と同院理事長の藤尾圭医師は話す。
 同院泌尿器科には7人の常勤医が在籍しているが、加えて東京慈恵会医科大学附属柏病院からも医師が派遣されており、手術前後に化学療法や放射線治療が必要な場合は慈恵医大柏病院で行うなど、綿密に連携している。
「泌尿器科だけでなく、婦人科でも相互に医師を派遣し合うなど、協力を強化しています」(藤尾医師、以下同)


前立腺がんで磨いた技術を女性の病気にも応用

 同院のロボット手術患者は、従来は前立腺がん治療がメインで男性が対象だったが、近年は女性も増えている。その理由は2つ。1つは女性特有の病気である骨盤臓器脱をロボット手術で行っているほか、全国でも数少ない性同一性障害に対する手術も実施しているからだ。
 まず、骨盤臓器脱は加齢や出産などが原因で骨盤の底にある支持組織が緩んでしまい、膣口から子宮や膀胱、直腸などが体外に出てきてしまう病気だ。失禁や下垂感などにより外出がしづらくなるなどQOL (生活の質)が著しく低下するため、早期の治療が望ましい。
「骨盤臓器脱に対してはロボット手術である仙骨膣固定術(RSC)を行っています。これはメッシュシートを下垂した子宮や膣の周囲に縫合して引き上げることで、臓器を元の位置に戻します。骨盤の奥の場所での縫合操作になり、一般の腹腔鏡では難しいのですが、ロボットであれば拡大視野でアームが自在に動かせるので的確な操作が可能です。なお、当院では手術の際にお腹に開ける穴の数を少なくして、手術の跡は極力残らないように配慮しています」
 このRSCで得た知識と技術を応用したのが性同一性障害に悩む患者さんのための「性適合手術(SRS)」だ。
「SRSは、すでに両乳房摘出手術を行っていること、ホルモン療法を半年以上継続していること、2名以上の精神科医の診断を受けている、という条件があります。これらを踏まえた上で、当院では子宮と卵巣を摘出します。この手術を実施している医療機関は全国でも数少ないため、北海道や西日本などの遠方の病院からも患者が紹介されており、2021年1月~2022年12月の累計で42例実施してきました」
 このほか腎結石や尿管結石は、内視鏡を使った「経尿道的結石破砕術(TUL)」や、腎臓に内視鏡を入れてレーザーで石を割る「経皮的腎砕石術(PNL)を実施。さらにこの2つを合わせた「ECIRS(エシルス)」も行い、サイズの大きな結石や複数ある場合などに対応してきた。
 中高年以上の男性に多い、前立腺肥大症に対する内視鏡治療であるホーレップ(HoLEP)も常勤医全員が高度な治療技術を備え、年間100例以上の実績を残している。
「今後は他の病院や診療所との連携を強化して、男女を問わず地域に住む方々に泌尿器科に関する最善の医療提供を追求していきます」


主な診療実績(2022年1月~12月)


HOSPITAL DATA

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