地方独立行政法人 明石市立市民病院

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明石市立市民病院 ロゴ 明石市立市民病院急性期から回復期、慢性期まで
継続的に患者を診療。在宅復帰を見据えた
良質なリハビリテーションを提供

2011年10月、地方独立行政法人として再出発した明石市立市民病院。以来、急性期医療を中心に地域密着型の総合病院として診療体制を整備、充実させ、13年には地域の診療所などと役割を分担する地域医療支援病院となり、市民の生命と健康を守り続けてきた。超高齢社会に適応した新たな医療連携システムを整えていくため、現在は急性期病院としての資質を最大限生かしつつ、回復期リハビリテーションや地域包括ケアに力を入れている。

齋藤 実

副院長・脳神経外科部長
リハビリテーション科部長
齋藤 実

さいとう・みのる/日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。



合併症や体調の急変にも即座に対応できるのが一番の強み

 同院は2014年に地域包括ケア病棟(50床)を、19年には回復期リハビリテーション病棟(30床)を開設。急性期の手術や治療が終わり、病気やけがの状態が安定した患者に対し、回復期リハ病棟では在宅復帰の準備、早期社会復帰のための集中的なリハビリを提供。また、経過観察や在宅での療養準備が必要な患者については地域包括ケア病棟に入院し、在宅復帰をサポートしている。
 同院の特徴は主に3つある。一つ目は、急性期、回復期、慢性期、在宅に至るまで患者を継続的に一貫して診療し、ケアやフォローアップをしていること。副院長で脳神経外科部長の齋藤実医師は「合併症がある、体調が急変した、など再び急性期の治療が必要となった場合でも即座に対応できるのが当院の一番の強み」と胸を張る。
 二つ目は、主治医が変わらないこと。一人ひとりの患者の状態を同じ医師がずっと診察し続けているため、些細なことでも相談できるなど、医師と患者との信頼関係が築かれ、それが患者にとって大きな安心感に繋がっているという。
 三つ目は、併設されている訪問看護ステーションとの密な連携だ。各患者の情報が共有されており、退院して自宅や介護施設に戻った患者の増悪時にも、すぐに善処できる体制が整っている。
 このように急性期から回復期、慢性期、在宅医療、地域包括ケアも含めたこれらの医療を一貫して担っている公的病院は珍しい。「急性期医療だけに偏ることなく、在宅医療とも連携を図りながら、回復期医療の充実を図っています。『在宅から入院、そして在宅へ』を目指し、地域医療支援病院としての責務を果たしていきたい」と齋藤医師は語る。

回復期リハビリ病棟のリハビリ室。スタッフに見守られ、患者は安心して過ごせる。

■回復期リハビリ病棟のリハビリ室。スタッフに見守られ、患者は安心して過ごせる。


セラピストら専門家がチームで一人ひとりに寄り添う

 6階東にある回復期リハビリテーション病棟は、急性期を経て体が回復期にある患者に対し、食事、更衣、排泄、移動、入浴などの日常生活動作(ADL)ができるよう、急性期から取り組むリハビリをさらに集中して行っている。
 入院は、転倒による大腿骨頸部や脊椎の骨折など整形外科の患者が約9割を占め、残りは脳卒中はじめ脳神経疾患の患者など。「寝たきりにならない、させないために、できるだけ早期からリハビリに取り組んでいます」(齋藤医師)
 同病棟には理学療法士10人、作業療法士3人の計13人(うち2人は訪問看護ステーションと兼務)のセラピストが在籍。主治医、看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーらとチームを組んでいる。週2回のカンファレンスでは様々な意見を出し合い、最善の方向性を模索している。
 リハビリテーション課主任理学療法士の徳久誠禎氏は「入棟当初から在宅復帰というゴールを見据えたプログラムを患者様ごとに作成、実施しています。自宅へ戻るためにはどんなリハビリをすればいいか。また、介護保険、受けられる社会的な支援、家庭の状況などについてもチーム全体で、きめ細かいサポートを行っています。患者様と同じ目線に立ち、できるかぎり元の生活に戻ることができるように、これからもスタッフ一同、丁寧に寄り添っていきたいです」と話している。

徳久 誠禎

主任理学療法士

徳久 誠禎
(とくひさ・のぶよし)



HOSPITAL DATA

地方独立行政法人 明石市立市民病院

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〒673-8501
兵庫県明石市鷹匠町1-33
TEL.078-912-2323
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