シミズ病院(京都市)

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シミズ病院(京都市)一次脳卒中センターコア施設として
“断らない医療”を推進

清水 史記

清仁会 理事長
清水 史記

しみず・ふみのり/日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医、日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。



搬送後40~60分以内の治療開始が可能

 40年以上前から脳神経外科治療を強化し、脳卒中など急患を24時間365日体制で受け入れ、発展してきたシミズ病院グループ。中核施設であるシミズ病院について、理事長の清水史記医師は、
「超高齢社会を反映して脳疾患の症例数は年々増加しています。当院では近隣の病院とも連携し、年間約2000件の救急搬送を受け入れていますが、そのうち8割以上が脳疾患患者です」と現状を語る。
 脳梗塞は搬送から治療開始までの時間が予後を左右する。同病院では急患があるとわかった時点で、医師、看護師、放射線技師などが準備を始め、ストレッチャーを止めることなく治療室に搬送する。
 検査にはグループで5台あるMRIが速やかに稼働し、頭頚部、心臓、血管などを高画質で撮像、搬送後40~60分以内での治療開始へつなぐ。


地域の脳神経疾患の中核施設として貢献する

 脳梗塞の治療では、血管内治療の進展がめざましい。シミズ病院では、この流れに対し、「血管内治療外来」を設けて年間180件以上の血管内治療を実施している。
「カテーテルを血管内に挿入して血栓を回収する血栓回収療法、コイルを挿入して脳動脈瘤の破裂を防ぐコイル塞栓術など、患者様の体の負担が少ない治療は今後さらに主流になっていくと思われます」(清水理事長、以下同)。
 ただ、症例によっては従来の開頭手術が適している場合もある。同病院では常勤医が合議の上、安全性が担保され治療効果が望める術式を選択している。
「脳卒中治療はチーム医療です。脳神経外科専門医(7名)や脳血管内治療専門医(3 名)をはじめ、看護師やコメディカルなどマンパワーが大切になります。先進のデバイスや医療機器の導入とともに経営者として尽力しているところです」
 今、脳卒中医療を取り巻く環境として、2019年9月に日本脳卒中学会より、脳卒中患者を24時間365日受け入れ、速やかにt -PA静注療法(点滴薬を使った血栓溶解療法)などの診療を開始できる施設「PSC:一次脳卒中センター」が全国で認定されている。なかでもシミズ病院は、地域においてコアとなるPSC施設=「PSCコア施設」として認定されている。
「今後さらに、脳神経外科の包括的な医療に取り組み、地域の方々のための“断らない医療”を地道に推進していきたいと思います」と自信をのぞかせている。

18床のSCU(脳卒中ケアユニット)を備えている

18床のSCU(脳卒中ケアユニット)を備えている

心臓血管外科では、累計9000例以上の手術を行ってきた。


新しい血管撮影装置を導入 速やかで的確な診断と低侵襲な治療を実現

新しい血管撮影装置(アンギオ)を導入

 シミズ病院では2020年9月、新しい血管撮影装置(アンギオ)での検査と治療を開始した。
 導入したのはドイツ製の新型で、血管内にカテーテルを挿入し、造影剤を注入して微細な血管狭窄、動脈瘤の病変を診断、速やかに治療することができる。
 さらに、従来C T でしか得ることのできなかった断層画像や3D画像の撮影も可能になり、複雑な血管の走行も短時間で的確に把握できるようになった。そして、患者の状態を把握し速やかに処置に臨めるため、治療成績の向上に貢献している。
 また、放射線被ばく量の低減に配慮されたシステムのため、患者にも術者にも低侵襲で治療を受けられる・治療をできるメリットがある。

HOSPITAL DATA

医療法人 清仁会 シミズ病院

医療法人 清仁会 シミズ病院
〒615-8237
京都市西京区山田中吉見町11-2
TEL.075-381-5161
https://www.shimizu-hospital.or.jp/

国道9号線「千代原口」交差点南西角にある。
「阪急桂駅」から徒歩15分(無料巡回バスあり)。
「JR京都駅」から市バスで40分「千代原口」下車徒歩3分。
「JR桂川駅」からタクシー15分。


洛西シミズ病院

洛西シミズ病院一人ひとりの症状と生活歴に合わせた、
オーダーメイドのリハビリプラン

桐谷 奈央子

リハビリテーション科副部長
桐谷 奈央子

きりたに・なおこ/日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション専門医。



1300㎡の広大なリハビリエリアと先進機器を活用

 シミズ病院グループで2番目に設立された洛西シミズ病院。2016年、ここに100床の「回復期リハビリテーションセンター」が開設された。グループ病院や近隣病院からの患者さんを受け入れるほか、質の高いリハビリを求め、他府県から転院する人も多いという。
 最上階には関西では類を見ない見晴らしのよい1300㎡のリハビリエリアがあり、屋外には坂道、芝生など日常生活を想定したコーナーも設けられている。
 設備も充実していて、歩行アシストロボット「ウェルウォーク」や、モニター画面に合わせて上肢を動かし機能回復を図る上肢用ロボット「ReoGo®-J」をはじめ、「免荷歩行装置」「ウォークエイド」「ADLシミュレーター」など先進機器が備えられている。
 スタッフは100名超。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など9分野の専門家がチームを組み、連携しながら1日最大約3時間、365日の不休のリハビリを提供し、一日も早い在宅復帰、社会復帰、市民活動への復帰をめざす。

歩行アシストロボット「ウェルウォーク」

上肢用ロボット「ReoGo®-J」

肢用ロボット「ReoGo®-J」

歩行アシストロボット「ウェルウォーク」


生活動作に応じたリハビリ計画を作成

 リハビリにはその人の症状に合わせた計画が必要だ。
 リハビリテーション科副部長の桐谷奈央子医師は、
「当院では一人ひとりの生活歴に合わせたオーダーメイドのリハビリプランを立て、在宅復帰、社会復帰をサポートしています。在宅復帰に際しては、その方の家を拝見して退院後の生活を想定し、動作指導や福祉用具の提案をします。また、社会復帰に関しても退院後の生活設計を伺って、必要なリハビリを加えます。たとえば畑仕事には、しゃがむ訓練や不整地を歩く訓練が必要です。自転車に乗る訓練も実際に行っています。自動車運転再開は教習所と連携してサポートしています」と語る。
 退院後も関連の支援施設や地域のリハビリサービスとの連携を図り、患者さんがいつでも安心して生活できるしっかりしたサポート体制が取れるのもシミズ病院グループの強みといえる。

回復期リハビリテーションは1日に受けられるリハビリの単位数・種類、重症患者の割合などによって6段階に分けられる

回復期リハビリテーションは1日に受けられるリハビリの単位数・種類、重症患者の割合などによって6段階に分けられる。洛西シミズ病院は、最も高い病棟基準となる「回復期リハビリテーション病棟入院料1」を満たしている。

※全国平均は2019年回復期リハビリテーション病棟協会の調査報告書から。

※全国平均は2019年回復期リハビリテーション病棟協会の調査報告書から。


HOSPITAL DATA

医療法人 清仁会 洛西シミズ病院

医療法人 清仁会 洛西シミズ病院
〒610-1106
京都市西京区大枝沓掛町13-107
TEL.075-331-8778
https://www.shimizu-hospital.or.jp/rakusai/