中部国際医療センター

病院の実力2022 > 中部国際医療センター

中部国際医療センター ロゴ 中部国際医療センター「全ては病める人のために」OUR HOSPITAL
地域の、日本の、世界の医療拠点へ

中部日本のコアシティ・名古屋の北北東約30㎞に位置する岐阜県美濃加茂市に、中部国際医療センターが開院した。元々この地域で出色の高い医療機能を誇ってきた木沢記念病院が建物と名称を一新し、機器・設備をさらに拡充してオープンした施設である。旧病院時代から注力してきたがん治療ではさらなる内容の拡張を進め、救急医療などにおいても体制の充実を図るなど、地域に根差しつつ、広域さらには世界をも視野に入れた事業を展開している。

山田 實紘

中部国際医療センター
理事長
山田 實紘

やまだ・じつひろ/1968年日本大学医学部卒。社会医療法人厚生会中部国際医療センター、中部脳リハビリテーション病院、多治見市民病院、特定医療法人清仁会のぞみの丘ホスピタル、社会福祉法人慈恵会理事長。日本脳神経外科学会評議員。日本病院会常任理事。



充実した設備で実現するグローバルな高度医療

 2022年1月に開院したばかりの中部国際医療センターは、甲子園球場の3倍に相当する敷地面積、約700台収容の来院者向け駐車場、総延べ床面積5ヘクタール超の病院建物など、どれを取ってもけた外れのスケール。
 だが、さらに驚くべきなのは、各種の高度医療機器・設備の他に類を見ない充実ぶりだ。強度変調放射線治療(ⅠMRT)専用装置「ハルシオン」、高精度放射線治療装置「トゥルービーム」、ハイブリッド手術装置「ディスカバリーIGS740」を新病院の開院に当たって実装した。また旧病院から、内視鏡下手術支援ロボット「ダビンチ」、さらに、PET‒CT、320列CT、乳房専用PET装置「エルマンモ」などの高精度画像検査機器を引き継いで運用している。
「世界的に見ても先進の医療を、この地域の病める人々にいち早く提供したいという思いから、常に新しい科学の粋を集めた高度医療とそのデバイスの導入に努めてきました。この姿勢は今後も変わることはありません」と、同センターの山田實紘理事長は意気込みをあらわにする。また山田理事長はいう。
「新病院の名称に『国際』の字を含めたのも、第一には、名実ともに世界と伍する医療施設たらんとの願いを表したものに他なりませんが、さらに言えば、高度医療と機器が日本ほど普及していない国や地域の方々にも、もし希望されるなら当院へ来て治療を受けていただいてもよいのではないか。幸い当院は中部国際空港からのアクセスも良く、外国の患者さんにも来ていただきやすいからと、時にそのようなことまで考えています」

ハイブリッド手術装置「ディスカバリーIGS740」/心・血管X線撮影装置と手術台を組み合わせた、高度な医療を行える手術室。

ハイブリッド手術装置「ディスカバリーIGS740」/心・血管X線撮影装置と手術台を組み合わせた、高度な医療を行える手術室。

高精度放射線治療装置「トゥルービーム」/電子線と高エネルギーX線を発生する放射線治療装置。頭頸部腫瘍、乳がん、皮膚がん、転移性骨腫瘍などを治療。

高精度放射線治療装置「トゥルービーム」/電子線と高エネルギーX線を発生する放射線治療装置。頭頸部腫瘍、乳がん、皮膚がん、転移性骨腫瘍などを治療。

強度変調放射線治療(IMRT)専用装置「ハルシオン」/短時間に、高精度で行える次世代放射線機器。主に前立腺がんや脳腫瘍に利用。

強度変調放射線治療(IMRT)専用装置「ハルシオン」/短時間に、高精度で行える次世代放射線機器。主に前立腺がんや脳腫瘍に利用。



がん治療の対象を年々拡大治療困難な腫瘍も狙える陽子線治療も導入予定

 高度医療機器のラインナップからもうかがえる通り、同院はこれまで、手術支援ロボットや放射線治療機器などの運用によりがん治療の低侵襲化を進め、また、各種の画像診断機器によってがんの診断の高精度化と効率化を図ってきた。
 また、がんゲノム(遺伝子)医療においては、2017年に「がんゲノム診断・診療センター」が院内に発足して活動を開始し、翌2018年には厚生労働省より「がんゲノム医療連携病院」の指定を受け、慶應義塾大学病院との連携によるがんゲノム医療の診療体制を確立した。既にこれまで多くの患者が、自己の遺伝子検査の結果に基づくテーラーメードのがん治療を受けている。
 同院は今後も引き続き「地域がん診療連携拠点病院」として、がん治療に注力する姿勢を鮮明にしており、その一環として現在、がん放射線治療の一種である陽子線治療の導入プロジェクトを進めている。陽子線は、治療標的となる腫瘍の先にある正常組織にはほとんど影響を及ぼさないという特性を持った放射線の一種で、手術や通常の放射線では治療の難しいがんに対して特に威力を発揮する。
「2023年に、新型の陽子線治療装置『プロビーム』を導入予定です。陽子線治療が始まれば、当院のがん治療にもう一つの有力な選択肢が加わることになります」(山田理事長)

陽子線がん治療センター/2023年オープン予定。新型の陽子線治療装置「プロビーム」を導入する。

陽子線がん治療センター/2023年オープン予定。新型の陽子線治療装置「プロビーム」を導入する。

手術支援ロボット「ダビンチ」/鮮明な3D画像を映し出し、的確かつ迅速な低侵襲手術が可能。

手術支援ロボット「ダビンチ」/鮮明な3D画像を映し出し、的確かつ迅速な低侵襲手術が可能。

みのかも健康プラザ/地元自治体の「美濃加茂市保健センター」が同居。また、厚生労働省認定の健康増進施設「クラブM」も設置。

みのかも健康プラザ/地元自治体の「美濃加茂市保健センター」が同居。また、厚生労働省認定の健康増進施設「クラブM」も設置。

救命救急/365日24時間体制の救急部門。ドクターカーの運用も始まり、敷地内に救急救命士が常駐する「救急ワークステーション」も設置されている。

救命救急/365日24時間体制の救急部門。ドクターカーの運用も始まり、敷地内に救急救命士が常駐する「救急ワークステーション」も設置されている。



地域の安心を支えるため救急医療をさらに強化

 設立以来百年におよぶ歴史を持つ同院にとって、救急医療は常に患者を迎える玄関口となり、地域住民の命を守る砦ともなってきた。新病院の開院に当たり、同院では救急医療の一層の拡充を図って、診療スペースを拡大し、救急治療室に接して10床のHCU(高度治療室)を設けるなど受け入れ体制を強化した。
 救急部門には、緊急時にもスムーズに救急車を乗り入れられる入口が設けられている。また365日24時間利用可能な救急専用のMRIなども配備されているため、いつでも必要なときに、必要な検査と最適の治療を迅速に実施することができる。
 さらに、救急現場に医師や看護師が駆けつけるドクターカーの運用も始まった。敷地内に救急救命士が常駐する「救急ワークステーション」が設置され、スピーディーな緊急対応と的確な初期治療を実現している。


病院住所は「健康のまち一丁目1番地」

 新病院の広大な敷地の一角に、三角屋根を乗せた開放的なつくりの「みのかも健康プラザ」が併設されている。ここには、地元自治体の「美濃加茂市保健センター」が同居し、両者一体となって、「メディカルシティ構想」を推進している。また、厚生労働省認定の健康増進施設「クラブM」では、予防医学の知見に基づくメディカルフィットネスを中心とした健康づくりをサポートしている。
「超高齢社会を迎えた日本では健康増進の重要性がますます高まっており、今後も地域の皆さまや行政と一体となって健康づくりの場を目指したい。そのような考えから、この場所の住所が『健康のまち一丁目1番地』と定められました」
 山田理事長の思いは世界を巡りつつも、その視線はつねにこの地域と、地域の人々に向けられている。


HOSPITAL DATA

中部国際医療センター

中部国際医療センター
〒505-8510 岐阜県美濃加茂市 健康のまち一丁目1番地
TEL.0574-66-1100
https://cjimc-hp.jp/