回復期リハビリテーションの先進医療
医療法人三州会の中核施設である大勝病院は、1980年の開業以来、脳神経内科、リハビリテーションの専門病院として、先進の治療法やリハビリ手法を取り入れ、脳神経疾患に悩む地域の人たちのかかりつけ医としての役割を果たしてきた。2020年4月11日、旧病院を建て替え、新病院が誕生。施設や医療設備が刷新、拡充され、診療体制やリハビリ環境が充実。より質の高い医療・介護サービスの提供が実現した。
院長
有村 公良
ありむら・きみよし/昭和51年鹿児島大学医学部卒業。平成22年大勝病院副院長就任、同23年大勝病院院長。日本神経学会認定神経内科専門医・評議員、日本内科学会評議員、日本神経治療学会評議員、日本ボツリヌス治療学会理事など。
理事長
大勝 秀樹
おおかつ・ひでき/平成13年昭和大学医学部卒業。平成27年4月医療法人三州会理事長就任。日本神経学会認定神経内科専門医。日本内科学会、日本脳卒中学会所属。
新病院は321床となり、現在、神経内科専門医15人が診療に当たっている。診察室は患者の歩き方を診察しやすいようゆったりとしたスペースに。病棟は個室や2人部屋が中心で、4人部屋は家具で仕切るなど、プライバシーに配慮した快適な空間に生まれ変わった。
新病院の最も大きな特長はリハビリテーション環境の充実だ。建物1階の大部分をリハビリセンターにあて、従事するスタッフも同じフロアに集結。外にはリハビリ庭園が設けられ、建物内外でシームレスな訓練が可能になった。リハビリに訪れる患者や見守る家族にとっては、足を運び安く、利用しやすい設計となっている。
同院は開業当初から神経疾患の治療、リハビリに特化しており、脳卒中を中心に急性期から回復期のリハビリ、慢性期医療まで一貫した診療を行なってきた。新病院では、医療機器のほぼ全てを刷新。脳卒中の病変などを診断する「3テスラMRI」を導入し、高精度の評価、検査が可能になった。また、特にパーキンソン病の診断で欠かせない核医学検査装置(SPECT検査)も導入。有村公良院長は「脳のドーパミンがどれくらいあるかなどを可視化でき、パーキンソン病やほかの認知症などの診断精度が格段に上がりました」と胸を張る。
特に力を入れているのは、脳卒中後遺症の患者への回復期リハビリだ。大勝秀樹理事長は「発症後に効率のよいリハビリを行うことで損傷した脳の運動回路が再構築される可能性(脳の可塑性)があります。当院では、麻痺した上下肢や手指を促通反復して動かすことで麻痺の改善をはかる促通反復療法(川平法)や、麻痺して硬くなった(痙縮した)筋肉を注射で和らげるボツリヌス療法などを積極的に取り入れ、満足を得られています」と話す。
新病院のリハビリセンターでは、装着型サイボーグ「HAL」や、リハビリ支援ロボット「ウェルウォーク」などの先進ロボット装置も揃っており、身体機能の回復が十分でない患者でも訓練を開始でき、早期の機能回復が期待できる。
パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、 HAMなど原因不明で治療法もまだ確立されていない神経難病に対しても専門的な診療、リハビリ体制が整っている。
「当院の強みは、脳卒中から神経難病まで様々な脳神経疾患に対して患者様の状態や要望に応じた最善のリハビリを実施できること。例えばパーキンソン病の場合、軽症ならば薬とリハビリを併用することで、症状の進行を抑えられることがわかっており、「LSVT®BIG、LSVT®LOUD」という新しいリハビリ法を採用しています」と有村院長は言う。
大勝理事長は「これからも質の高い脳神経疾患の診断、治療、リハビリにこだわり、地域の方々のかかりつけ医として安心感を抱いて頂ける病院を目指します。また、グループの介護老人保健施設などと密に連携し、生まれ変わった新病院を中心にグループ全体で神経疾患の患者をきめ細かくサポートしてまいります」と抱負を語った。
医療法人三州会
大勝病院
〒890-0067
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■診療科目/脳神経内科・リハビリテーション科