人工関節手術の先進医療 手術支援ロボット導入病院特集

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医療法人 慈和会 吉田整形外科病院脊椎と関節疾患が専門の整形外科病院
地域に根差し、より満足度の高い医療の提供に努める

愛知県豊田市にある医療法人慈和会・吉田整形外科病院は、外来、診察から手術、入院、リハビリに至るまで一貫した治療が受けられる整形外科病院として地域の人たちとともに歩んできた。2019年12月、中部地方で初となる先進のロボティックアーム手術支援システム「Mako(メイコー)」を導入。股関節、膝関節の人工関節全置換術で活躍している。

山田 高士

理事長・院長
山田 高士

やまだ・たかし/1986年3月金沢大学医学部卒業。1986年4月名古屋掖済会病院勤務。2002年名古屋掖済会病院整形外科部長、2003年から吉田整形外科病院勤務、2015年から理事長兼院長。日本整形外科学会認定整形外科専門医。

初診から保存的療法、手術、リハビリまで一貫した治療

 同院は1974年の開院以来、単科の整形外科病院として、主に脊椎、関節疾患の診察、治療を専門に行い、それらの疾患に悩む地域の人たちに寄り添ってきた。
 山田高士理事長・院長は同院の特長についてこう語る。
「初診から入院、手術、術後リハビリまで、一貫した治療を受けられるのが当院の強みです。大きな病院だと患者さんが手術を決めてから数ヶ月待たなければいけないこともありますが、当院では1ヶ月以内に手術を実施できるようにしています。手術を待つ間にも保存的療法を提供できるなどの融通が利くことも患者さんからは喜ばれています。地域包括ケア病棟が併設されているので、急性期の治療が終われば、転院する必要はなく、患者さんの状態、要望に応じた回復期リハビリを十分に行うことができます。退院後の生活指導やケアに至るまで患者さんと長期的な視点で向き合うことを最も心がけています」


より高精度で的確な股関節、膝の人工関節置換術を実現

 2011年に開設された「豊田人工関節・股関節疾患センター」では、主に4人の専門医が、近年増加傾向にある膝や股関節の変形性関節症など関節疾患の診断、治療にあたっている。股関節や膝関節の場合、薬物療法やリハビリなどの保存的療法を続けても症状が改善しない場合、人工関節置換術が選択肢となる。
 膝や股関節の人工関節置換術などの実施件数は年間205件(2019年)に及ぶが、19年12月には、より満足度の高い医療を提供するため、先進の手術支援システム「Mako(メイコー)」を中部地方で初めて導入。20年2月より運用を開始し、人工股関節全置換術41件、人工膝関節全置換術3件を実施した(20年12月まで)。
「変形性股関節症の場合、骨盤にカップを入れる半球状の穴を掘削し、そこに人工関節を入れますが、ロボット手術支援システムで手術計画どおり極めて高精度な骨切除、設置ができるようになりました。また、左右の足の長さのバランスを患者さんに違和感を感じさせないよう調整できるのもメリットと感じています」(坪井真幸医師)。人工関節設置の精度が増せば、「早期回復や合併症(脱臼など)の低減に繋がります」と山口仁センター長。
 股関節については先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全などの若い女性も少なくないといい、変形が中程度なら、臼蓋と大腿骨頭のかみ合わせを矯正する寛骨臼回転骨切術も数多く実施している。
 山田院長は「それぞれの患者さんは症状もバックグラウンドも違うので、一律に対処するのではなく、一人ひとりに即した医療サービスを丁寧、きめ細かに今後も提供してまいります」と力を込める。
 20年秋には、主にスポーツ疾患に特化した関連施設「吉田整形外科あいちスポーツクリニック」を豊田市内に開院。地域の人たちの医療ニーズに幅広く応え、より高度で満足度の高い医療を提供できる態勢を整えている。

右から、山口仁センター長、山田高士理事長・院長、坪井真幸医師、杉浦文昭医師

右から、山口仁センター長、山田高士理事長・院長、坪井真幸医師、杉浦文昭医師


手術実績件数


HOSPITAL DATA

医療法人 慈和会 吉田整形外科病院

医療法人 慈和会 吉田整形外科病院
〒471-0811
愛知県豊田市御立町7丁目100番地
TEL.0565-89-1818
http://www.yoshida-seikei.jp/


■診療科目/整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科、麻酔科(下村啓)