脳卒中治療に実績のある病院
京都府南部で救命救急を担う宇治徳洲会病院。2017年より脳神経外科の体制が拡充し、血管内治療など先進的治療を実施し、地域住民からの信頼を得ている。現在の脳卒中治療の現状を聞いた。
脳神経外科主任部長
村井 望
むらい・のぞむ/日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医。日本脳卒中外科学会技術指導医。京都大学非常勤講師。医学博士。
1979年設立の宇治徳洲会病院。2015年には現在地、宇治市槙島町に移転し、救命救急医療を担うほか、高難度の循環器疾患診療を行う「心臓センター」、がんの地域医療拠点病院、また周産期の拠点病院に指定されるなど、人口約44万人の京都・山城地域をカバーする基幹病院として地域に貢献している。
また2017年より、脳神経外科の陣容も拡充した。京都大学関連病院として、現在、脳神経外科専門医7名、脳血管内治療専門医5名を含む常勤8名の医師が診療にあたっている。そして、2020年11月より「t-PA静静注療法」および「機械的血栓回収術」を常時行える「一次脳卒中センターコア施設」に認定されている。
急を要する脳卒中治療では24時間365日の救急搬送に対応する体制が重要だ。同院では脳神経外科医が常駐し、救急搬送があれば、入口で待つようにして即刻検査する。CTは3台、MRIは2台あり、さらに脳神経外科専用の血管造影設備があり、血管造影を行いながら並行して手術を開始できるなどの設備が整っている。
脳神経外科主任部長の村井望医師は、「治療に対応する人員と設備が揃っているので、例えば予定していた手術に加えて救急搬送の患者さんが重なったとしても受け入れる態勢が整っています。その場で治療方針を決め、その場で治療を開始することができます」と治療態勢に自信を持つ。
現在、急を要する脳梗塞治療は第一選択として血栓を溶かすt-PA静注療法が行われるが、次の治療として、カテーテルで直接血栓回収する血管内治療がめざましく発展している。
当病院でも血管内治療が脳卒中治療の柱となりつつあるが、必要時には開頭手術を行えるスペシャリストも複数在籍する。
「症例によって適した治療を選択する、いわば、二刀流の治療ができるのが当院の強みといえます」と村井医師は語る。
脳卒中治療では急性期後をフォローする回復期リハビリも重要だ。同院の回復期リハビリテーション科では、医師、看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、栄養士などがチームになり、患者さん一人ひとりのカンファレンスを行い、住み慣れた自宅、地域への復帰をめざしている。現在40床あるが近い将来には増床も視野に入れている。
「脳卒中は、救急での治療が必要であり、また、回復期リハビリが必要な場合もあるなど、地域への密着性が高い疾患です。一次脳卒中センターコア施設として、包括的な脳神経治療に貢献したいと思っています」と村井医師は語った。
脳腫瘍 | 7件 |
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脳血管障害 | 48件 |
脳血管内手術 ・破裂脳動脈瘤 ・未破裂脳動脈瘤 ・脳動静脈奇形塞栓術 ・硬膜動静脈瘻塞栓術 ・頚動脈ステント留置術 ・経皮的血管形成術(その他) ・経皮的脳血栓回収術 ・その他 |
89件 13件 16件 1件 2件 16件 3件 33件 5件 |
頭部外傷 | 62件 |
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水頭症 | 30件 |
脊椎手術 | 10件 |
その他 | 9件 |
合計 | 255件 |
医療法人徳洲会
宇治徳洲会病院
病院長/末吉 敦
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