院長
髙橋 和久
たかはし・かずひさ/1985年順天堂大学医学部卒。米国ハーバード大学医学部附属マサチューセッツ総合病院がんセンター留学、順天堂大学医学部呼吸器内科学講座教授、同大学医学部附属順天堂医院副院長などを経て、2019年より現職。
当院では学是「仁」や理念「不断前進」に則り、「ペイシェント・ファースト(患者第一)」の姿勢を重んじています。1873年の開設以来「医院」を名乗るのもその表れです。大学病院として1051床を有しながら、病人を収容する場所を指す病院ではなく、医療を施す「医院」としての誇りを胸に、日々診療に当たります。また、コロナ禍では各科医師94名と多職種から成る「COVID―19専従チーム」を結成し、隔離した診療体制を構築。日頃からの他科・多職種連携あってこその対応で、患者第一の実践例でしょう。元来当院は、感染対策で厳しい基準のある国際病院機能評価(JCI)の認定も受けています。今はさらに、オンラインで検査予約等ができる「ウォークスルー外来」を実施して、院内滞在時間を短縮化。非接触型でも質の高い医療の提供に努めています。また、当院では「ハートセンター」「睡眠・呼吸障害センター」など、特定臓器に対して内科・外科の連携が良好で、複数の疾患を併せ持つケースにも最適な治療が提供可能。がん診療でも、がん専門病院からの紹介を受けるほどです。2019年10月に開設した「小児医療センター」でも各科で注力してきた小児の専門的治療を束ね、シームレスな体制を強化。大学病院で日本初の「足の疾患センター」では足の痛みから難治性潰瘍、糖尿病壊疽に対する再生医療まで、あらゆる足のトラブルに対応しています。そして、医療においてもテクノロジーの進化がめざましい昨今。2020年に肝胆膵領域も保険適用となり、ますます期待されるロボット支援手術については、当院も予てより幅広く、心臓や小児の手術でも多数実践してきました。今後も新機種導入を含め、積極的に活用していきます。また、2020年4月に、全国で13番目となる臨床研究中核病院の認定を受けました。2019年より順次始動している新研究棟の「臨床研究・治験センター」やオープンイノベーションプログラム「GAUDI」の運営と合わせ、ますます研究開発にも注力していきます。
センター長
心臓血管外科教授
浅井 徹
1986年金沢大学医学部卒。2002年滋賀医科大学心臓血管・呼吸器外科教授に就任。2019年より現職。
ハートセンターでは循環器内科、心臓血管外科、小児科・思春期科、麻酔科医、臨床工学技士や看護師が一体となって、患者さんごとに最高の医療を提供しています。その中で心臓血管外科は、最新のステントグラフトや完全内視鏡下僧帽弁手術から、最重症まで対応する心拍動下冠動脈バイパス術を強みとしています。高齢者にも新しい低侵襲弁置換手術や、突然死を防ぐ肥大型心筋症手術、難易度の高い弁形成術等も精度高く実施しています。また、重症心不全に対する最新の再生治療を開始しています。心臓リハビリチームが術前から介入し術後の社会復帰や快適な予後を視野に入れた治療計画と、確かな医療連携で末永く患者さんの健康を見守っています。
副センター長
循環器内科教授
南野 徹
1989年千葉大学医学部卒。2012年新潟大学大学院循環器内科教授に就任。2020年より現職。
当院では心臓カテーテル検査・治療を1984年と、全国に先駆けて開始。虚血性心疾患の診断・治療拠点として発展し、さらに不整脈アブレーション治療や各種デバイス治療、心不全治療、心臓リハビリなど、非侵襲的で効果的な治療体制を構築してきました。アミロイドーシス等の希少疾患や心不全に対する治療薬の治験も早くから実施しています。また、高齢者の循環器疾患増加を受け、心臓血管外科との連携の下、心臓弁膜症の低侵襲治療を積極的に実施。高齢者の心不全にも薬物治療やカテーテル治療、デバイス治療等を適正かつ包括的に行っています。こうして軽症から重症、積極的治療がやや難しい方まで幅広く、細やかな診療・ケアを提供しています。
センター長
小児科・思春期科教授
清水 俊明
1983年順天堂大学医学部卒。2007年同大学小児科教授就任。日本小児栄養消化器肝臓学会理事長。
2019年10月に開設された小児医療センターでは小児科・小児外科を中心に、脳神経外科・心臓血管外科・眼科・形成外科・整形外科・耳鼻咽喉頭頸科などの小児の外科系診療科や皮膚科、さらに小児専門看護師や理学療法士、栄養士などが連携して診療に当たります。内科領域でも消化器・循環器など12の診療グループがあり、小児の内視鏡や超音波にも専門性高く対応できるほか、周産期センターや成人領域との円滑な連携も大きな特長です。小児専用の90床の病棟にはプレイルームも備え、病棟保育士や子ども療養支援士、遊びや勉強のボランティア、音楽療法士らが子どもたちの療養生活を支援。また、病棟心理士は家族も含め、心の問題をサポートします。
副センター長
小児外科・小児泌尿
生殖器外科教授
山髙 篤行
1985年順天堂大学医学部卒。2006年同大学小児外科教授に就任。専門は小児鏡視下手術など。
伝統的に各科に小児の専門家を配してきた当院ではセンター化により、小児専門病院のような集学的治療を、日常的な他科・多職種連携でより専門性高く行っています。その中で、小児は年間約1200例、新生児で約50例の手術数を誇る小児外科は、急患に対しては24時間体制で3人の医師が待機。夜間は近隣医療機関からの緊急連絡を当直医が直接受け、迅速に対応可能です。また、小児医療でいち早く内視鏡を導入した本学では、腹腔鏡・胸腔鏡ならびにロボット支援下手術も数多く実施。後者は胆道拡張症など、臨床研究分野も積極的に行っています。さらに3次元培養組織オルガノイドなど、先進的な開発研究にも注力しつつ、患者や家族に寄り添う気持ちを大事にしています。
泌尿器科教授
堀江 重郎
1985年東京大学医学部卒。2012年より現職。
泌尿器科では前立腺摘除、腎部分切除、膀胱全摘除にてロボット支援手術を多数実施しています。いずれも翌日から食事や歩行が可能など、患者さんに負担の少ない手術となっています。そして、がん手術においては腫瘍摘出や組織間縫合など、各技術のエキスパートを養成。がん以外にも、子宮脱、膀胱脱から腎盂尿管狭窄症、膀胱の回腸導管などもダビンチで行っています。また、腎臓では世界に先駆け、CT画像を3D画像処理した術中ナビシステムを開発しています。
大腸・肛門外科教授
肛門外科教授
坂本 一博
1984年順天堂大学医学部卒。2009年より現職。
大腸の中でロボット支援手術が保険適用となっているのは直腸がんです。ロボットの鉗子は多関節で人間の手以上に自由に動くので、骨盤の奥でも思い通りの繊細な操作ができます。そのため、骨盤が狭く腸間膜の硬い男性の手術で、より有効性を発揮します。また、腫瘍をしっかり包みこんだ状態で切除でき、難易度の高い(側方)リンパ節郭清も有利に行えるといったメリットがあります。当院では進行がんの患者さんに対して積極的にロボット支援手術を行っています。
呼吸器外科教授
鈴木 健司
1990年防衛医科大学校卒。2008年より現職。
ロボット支援手術は、大きく開胸した時と同じ品質で手術ができます。現在は早期肺がんなど比較的条件のよい方が中心ですが、当院では進行がん、あるいは合併症があるなど一般的に困難とされる方に対しても実績を積んでいます。2019年の実績は全体で142例、そのうち肺がんが73例、縦隔腫瘍が67例でした。質の高い手術を低侵襲で行えるロボット支援手術は患者さんに大きな利益をもたらします。今後は拡大複雑手術も適応になっていくでしょう。
順天堂大学医学部附属 順天堂医院
〒113-8431 東京都文京区本郷3-1-3
TEL.03-3813-3111(大代表)
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/