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これからの時代は早く正確にインフルエンザ電子検査を。 これからの時代は早く正確にインフルエンザ電子検査を。

インフルエンザ流行の季節が近づいてきました。新型コロナウイルスの流行も完全に消えたわけではなく、いざ熱が出ると何かと不安になりがちです。とくにインフルエンザが疑われ重症化リスクが高い方には、より早く、より正確に結果がわかる遺伝子検査が2024年6月から保険適用でできるようになりました。東戸塚メディカルクリニック院長の北川光一先生は「原因となるウイルスが違えば治療法も異なります。早期に診断し治療を開始することで重症化が防げるので、とくにリスクの高い方は早めに医療機関を受診してください」と、アドバイスします。

遺伝子けんさはこれまでの検査とどう違いますか?

遺伝子は感度が高く、発症後早期検出が可能です。

これまで一般的だった抗原検査と、今回お話する遺伝子検査、いずれも、鼻の穴に長い綿棒を入れて検体を採取するまでは同じですが、その後の検出方法が違います。

抗原検査は、ウイルスがもつ抗原(たんぱく質)をそのまま検出するため、ウイルスが十分に増えていないと検出できず、検査のタイミングが発症後早期だと、本当はインフルエンザに感染しているのに陰性と結果が出てしまう場合があります。これに対して遺伝子検査は、ウイルスの中にある遺伝子配列を増幅して検出するため感度が高く、まだウイルス量が少ない発症後早期でも検出できるのが特徴です。

新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、PCR検査を中心に遺伝子検査の有用性が注目され一気に普及しましたが、インフルエンザに対しても遺伝子検査を採り入れるようになってきました。

遺伝子検査は希望すれば誰でも健康保険で受けられますか?

発症後12時間以内の重症化リスクの高い方に限られます。

インフルエンザの重症化リスクの高い方は、5歳未満の幼児、65歳以上の高齢者、妊婦および出産後2週以内の産褥婦、慢性の肺疾患(気管支喘息を含む)、心血管疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患、糖尿病を含む代謝性疾患、神経疾患(脳脊髄障害、末梢神経障害、筋障害、てんかん、脳卒中、精神遅滞、中等度以上の発達異常、筋萎縮、脊髄外傷を含む)、免疫抑制状態の患者(免疫抑制治療を受けている、あるいはHIV 感染を含む)、アスピリンまたはサリチル酸を含む薬物治療を受け、ライ症候群のリスクのある18歳以下、BMIが40以上の肥満者、ナーシングホームなどの長期療養施設入居者とされています。

●参考文献:「インフルエンザ核酸検出検査の有効活用に向けた提言」(2023年3月1日付) 一般社団法人 日本感染症学会 感染症遺伝子検査委員会、一般社団法人 日本臨床微生物学会 感染症領域新規検査検討委員会

インフルエンザの重症化リスクが高い方

ただし、発症後時間がたつとウイルスが増殖して、従来の抗原検査でも検出できるため、遺伝子検査が保険適用になるのは、インフルエンザ発症後12時間以内に限られます。以前は入院して具合の悪い方だけが対象でしたが、2024年6月から保険適用の対象が発症早期の重症化リスクの高い方にまで拡大され、より多くの方が健康保険で遺伝子検査を受けられるようになりました。

インフルエンザが重症化すると、どうなりますか?

入院が必要となり、後遺症が残る場合も。最悪の場合、命にかかわるケースもあります。

厚生労働省インフルエンザ脳症研究班によると、幼児や小児では、毎年100~300例のインフルエンザ脳症が発症し、死亡率は8~9%、後遺症が残る確率は約25%となっています。インフルエンザ脳症は、高熱が出ているときに、けいれんや頭蓋内圧亢進症候群によって、嘔吐や意識障害が起きて、ぼーっとして何を言っているのかわからない、異常言動や行動を起こすなど、大変に重篤な状態になります。後遺症で脳にダメージが残ると、学習障害になることもあります。

●参考文献:厚生労働省インフルエンザ脳症研究班によるインフルエンザ脳症ガイドライン改訂版(平成21年9月)

高齢者がインフルエンザにかかると、肺や全身の感染防御機能が低下し、肺炎を併発するリスクが高まります。肺炎を起こすと、急激に悪くなってしまうことがあるので、入院が必要になる場合も多く、最悪の場合、死に至ることもあります。インフルエンザ関連死亡者数のうち約89%が65歳以上とされています。

●参考文献:日本の医療データベースから算出された季節性インフルエンザの重症化率(2022年3月2日)、第74回 新型コロナウイルス感染症対策 アドバイザリーボード 野田先生提出資料より算出

妊娠中にインフルエンザにかかると、肺炎や呼吸不全などの重篤な合併症につながるリスクが指摘されており、早産のハイリスク群とされています。

遺伝子検査に期待できることは何ですか?

インフルエンザを早期に検出することにより、早期の治療開始と重症化リスクの低減が期待できます。

インフルエンザの治療薬である抗ウイルス薬は、ウイルスが増えるのを抑える薬なので、すでに増えてしまってから使っても十分な効果が期待できません。48時間以内に治療を開始することが重要です。治療開始が早ければ、その分、症状が早く緩和して、熱などのつらい症状に苦しむ時間が少なくなります。そして、重症化を防ぐことや、周囲への感染拡大を防ぐことも期待できます。

インフルエンザ発症からの経過時間と健康保険で受けられる検査の種類

※保険適用対象者:5歳未満の幼児、65歳以上の高齢者、妊婦、その他特定の疾病を持つ方

とくに、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時に流行している場合、症状からは判断できませんし、新型コロナウイルスで陽性が出た場合でもインフルエンザと両方に感染している可能性もあります。新型コロナウイルスの薬でインフルエンザは治らないので、それぞれ個別の治療が必要になります。新型コロナウイルスのパンデミック時では、早期に正確な診断をするためにPCR 検査などの遺伝子検査が多く実施されていました。インフルエンザの遺伝子検査も、感染拡大を防ぐうえで重要です。

遺伝子検査はどこでも受けられますか?

医療機関にあらかじめ確認を。導入施設が増えています。

これまで、遺伝子検査は病院や検査専門機関で行われており、一般のクリニックでは行われていませんでした。ところが、コロナ禍を経て、小型で迅速に結果が出る遺伝子検査機器が普及してきて、クリニックでも導入するところが増えてきました。

ただし、遺伝子検査機器はすべての医療機関が導入している検査機器ではないので、インフルエンザの重症化リスクが高い方は、遺伝子検査ができるかどうか、あらかじめ確認してから受診したほうがよいと思います。

インフルエンザかな?と思ったら早めに医療機関へ

厚生労働省によると、インフルエンザは日本の人口の5~10%が感染し、毎年3000人以上が亡くなっています。直接の死因がインフルエンザではなくても、インフルエンザの感染をきっかけに持病が悪化して亡くなる方も含めると、年間約1万人と推定されています。ニュースにならないだけで、インフルエンザの影響でかなりの人数の方が亡くなっているのです。

とくに重症化リスクの高い方は、発症後12時間以内であれば、インフルエンザ遺伝子検査が健康保険で受けられるので、38℃以上の高熱が出たら、早めに医療機関を受診してください。早く、確実に検査を受けて早期に治療を開始すれば、リスクの高い方でも回復が早くなり、重症化を防ぐことができるのです。

12時間というのは、意外と時間があるようで、あっという間に経ってしまうものです。夜に発熱したら、翌日の昼まで様子を見ていたら遅いのです。朝一番で受診するくらいの感覚をもっていただきたいです。熱が出て、しんどいと感じた時点で、早めに医療機関を受診してください。

かかりつけの医療機関で遺伝子検査ができればよいのですが、まだ対応していない場合は、近くのどこへ行けば検査を受けられるのか、いざという時に、すぐ受診できるよう、重症化リスクの高い方は、あらかじめ確認しておくことをお勧めします。

院長 北川光一先生

東戸塚メディカルクリニック院長 北川光一先生

2003年旭川医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器病センター外科等での勤務を経て、2013年東京女子医科大学博士(医学)を取得。日本消化器内視鏡学会 認定 消化器内視鏡専門医。2015年東戸塚メディカルクリニック院長に就任。苦しくない胃・大腸内視鏡検査・大腸ポリープ切除・各種生活習慣疾患・健康診断、切らない痔の治療、一般皮膚 科など幅広く対応。コロナ禍を機に発熱感染症状外来を開設するなど、地域に密着した医療を提供している。