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北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授
北海道大学病院 院長
第50回日本臨床免疫学会総会 会長
東邦大学医学部 内科学講座 膠原病学分野 教授
一般社団法人日本臨床免疫学会 理事長
産業医科大学大学院 医学研究科長
産業医科大学医学部第1内科学講座 教授
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)
自己免疫疾患に関する調査研究班 班長
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科
生涯免疫難病学講座 教授
聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科 教授
パネル討論での発言(要旨)は以下の通りです。
日常生活に困らない状態を「寛解」と言います。この「寛解」の状態を保つのが治療の目標です。専門医から正しい情報と治療を受けて下さい。
患者さんごとの病気に合わせた「個別化治療」が進んでいます。
学会が発足して50年間で様々なことが解明されています。専門医で正しい診断を受け、ピンポイントの治療を受けることが大切です。
成長を止める副作用もあり、小児にはステロイドをゼロにする努力をしています。小児用治療薬の選択肢を広げたい。指定難病の医療費助成は重症度の基準があります。
全身性エリテマトーデス(SLE)は紅斑(赤い発疹)をはじめ、腎臓や関節など全身の臓器・組織に炎症が起きる多様性が特徴です。私たちは健康に長く生きていただくことを目指し、全身性エリテマトーデス(SLE)の診療ガイドラインを作成しました。これによって専門家のコンセンサスを得た治療を全国どこでも受けられます。治療薬である免疫抑制薬は副作用が起きる人と起きない人がいます。主治医と医療者は患者さん一人ひとりに最も適した治療を行っています。
全身性強皮症は、血管障害や全身の臓器の線維化を引き起こす自己免疫疾患です。自己免疫疾患の治療目標は、支障のない日常生活を送ることです。生物学的製剤や抗線維化薬などが開発され治療選択の幅が急速に広がっています。正しい情報を知り、感染症対策を含めた生活上の注意や服薬を守ることが大切です。
混合性結合組織病(MCTD)は膠原病のひとつです。昨年、MCTD診療ガイドライン2021をまとめ、診断と治療を明確に示しました。治療はステロイドを基本として免疫抑制薬、生物学的製剤を使います。新しい薬も次々に開発されています。早期発見・早期治療が重要なポイントです。正しい情報を得て、決してあきらめず専門医を受診して下さい。
小児期の膠原病は病期が長く成長期に当たり、多臓器に障害が出て重いのが特徴です。小児科、成人診療科で切れ目なく診られる体制づくりが肝要です。小児リウマチ施設と移行患者を受け入れられる成人科施設のネットワーク化が進んでいます。小児と成人の症状の相関関係の研究も進み、成人リウマチ診療医のための移行支援ガイドも作成しました。小児から成人までを診療できるハイブリッド医の育成も考えられます。移行期医療を実現するためには学会、患者・家族、行政が協同して取り組むことが必要です。